異世界転移物語をリレー小説で書いてみた

Hail

第1話

<私>

俺達は確かに修学旅行の真っ最中だった。

クラスの愛せる馬鹿どもは女子風呂を覗いている真っ最中で、俺達のような陰キャは部屋に集まってトランプ大会をしていたんだ。

確か俺が婆を引いて、それからの記憶がない。

気が付くと俺は、濃い霧の中で寝そべっていた。

周りには散らばっているトランプがある。

「おい!パンダ!小次郎!やすお!誰かいるなら返事をしてくれ」

すると意外と近くで声がした。

「アキネか、痛っ」

「パンダっ!どこだ!?」

「こっちこっち」

声のする方へ行くと、そこにはさっきまで一緒にトランプをして遊ん


<従兄弟>

でいた、パンダが足をくじいたのだろう、右足を労りながら手招きをしていた。

「パンダっ、お前足k」

「いや、足は問題ない軽い捻挫だ、それよりほかの2人は?」

パンダは俺の心配を遮りほか二名の小次郎とやすおの安否を促す

「いや、俺はさっき目が覚めて直ぐにパンダの声がする方向に進んだから」

「そうか……でもこれだけ俺らが話してて何も反応がないとなると、しかもここどこなんだよ…まじで」


<私>

パンダの回復を待っていると、次第に霧が晴れてきて、丘の下の方に民家があるのが分かった。

「パンダ、もう歩けるか?」

「いつでもokよ」

俺が先行して丘を降りていくと、木でできた古民家に着いた。

パンダが戸口を強く叩く。

「すみません!誰かいませんか!」

すると勢いよくドアが開き、ガタイのいいオッサンが姿を現した。

「誰だぁ?ん、またガキか」

「また?」

オッサンの横から部屋の中を覗くと、見覚えのある女の子が横たわっていた。

「あ、相沢さん!」

クラスの女子だ。

確かあの時、女子は全員お風呂に入っていたから


<従兄弟>

俺は、相沢さんに駆け寄り横たわる相沢さんの肩を揺らしながら語りかけるが意識は無い

「坊主、安心しろ 眠ってるだけだ、それよりその娘の知り合いか?」

「あぁ、はい 同じクラスの女子でして」

「クラス?なんだ「ちょっと待て!」それ?」

オッサンが言い切る前にパンダが結構デカめな声で割り込む

「あんた、一体なんだ?相沢さんがなぜそこで寝てる? アキネもなぜペラペラ説明しちゃってんだよ」

あぁ、そう言えばパンダはこういう奴だったな疑り深いと言うかなんと言うか

「大丈夫だ、パンダ相沢さんをよく見てみろ」


<私>

「ちょっと汚いけどちゃんと服も着せられているし、草を潰したような何かで擦り傷も手当されているみたいだ、あのオジサンは悪い人じゃないよ」

「汚いってなんだよ汚いって、うちにはそれしかねえんだ」

ガタイのいいオジサンはやはり口が悪いが、人柄的に悪い人では無いようだった。

続けてオジサンが質問した。

「お前ら、こいつと知り合いなんだろ、どうして裸だったんだ、何があった」

「どこから説明すればいいのか分からないけど、俺達は京都に修学旅行に来ていて」

俺が説明をしていると、おじさんが遮った。

「京都?修学旅行だと?ちょっとまってろ」


<従兄弟>

そう言って焦った様に、家の奥に行き山積みの書斎から古ぼけた小さな紙を3枚取り出し、俺達に見せてきた

「京都ってこんなのがある所か?」

そう言って指さした紙には、金閣寺、舞子、そして何故かフル甲冑の雰囲気に重みのある武士の写し絵が写っていた

「は、はい確かにこういうのがある所です、でも何故こんな写真を?」京都ぐらい知ってそうだが、明らかに目がキラキラし過ぎだ

「やっぱりか!!」「「うおっ」」

オッサンの明らかな喜びように驚きパンダと共に煩雑の目で見るがそれを跳ね除け

「爺さんが言ってたことは、本当だった!


<私>

「じいさん?」俺とパンダが首を傾げると、オッサンは説明してくれた。

「俺の爺さんは昔、こことは別の世界から来たって言っていた」

「別の世界?こいつは何を言ってるんだ」

「まあ聞け、俺も初めは疑っていたが、爺さんが死んだ後、この写真と、この紙が出てきた」

とても古くて傷んだ紙には、ハッキリとその文字が書いてあった。

『京都旅行のしおり』

パンダもそれに気づいた。

「これ、俺達が持ってたのと同じやつじゃ」

しおりの裏面を見るとそこには小次郎と名前が書いてあった。

小次郎?

「小次郎のじゃねえか!」


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