@01391364

第1話

ナズはハルと出会いました。

「やあハル」

「あら、ナズじゃない」

「ここで何してるの?」

「散歩よ」

「ここ、僕の家の庭なんだけど」

「細かいことは気にしないの」

「気にしちゃった」

「馬鹿ね、ほんと馬鹿」

「全くもってその通りだ」

「川で溺れてなさいよ」

「そうだね」

そこで、ナズは早速ハルと別れて、近くの川で溺れました。

それから数時間経って。

「あら?ナズ、何してるの?」

川へ通りがかったハルが聞きました。

「君が溺れててっていうから、溺れてるの」

「ああ、あのこと」

「そう」

「もういいわよ。出てきて」

「ありがとう」

ハルは川岸によいしょと体を出しました。

「それよりも、鬼ごっこしましょうよ」

「そうだね」

「じゃ、私が逃げるから、あなたは私と反対の方向に走ってね」

「分かったよ」

「じゃ、もういいわよ。鬼さんこちら」

「よーし」

合図と同時に、ナズはハルと反対の方向に猛ダッシュを始めました。

それから30分後には、ハルは捕まってしまいました。

「あら、速くなったのね、まだそんなに時間が経ってないのに」

「ハルが逃げなかったお陰だよ。ありがとう」

「ふふ、じゃあ、今度は私が地峡を一周してあなたを捕まえてみせるわ」

「頑張って」

「ええ、そのつもりよ」

それから二人は、日が暮れるまで鬼ごっこをしていました。


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