カゴのトリ
カゴのトリさん ピーチクパーチク
自分の不幸を ぴーぴーぴー
周りが悪いの チュンチュンチュン
今日も今日とて
あの日あの時 誰それさんが
あそこで こんなふうに こうやって
私を あの子を 傷つけた
カゴのトリさん
来る日も来る日も ピーチクパーチク
いつでもどこでも ぴーぴーぴー
私もチュンチュン あなたもチュンチュン
そこで誰かが ああしたこうした
だから私は 傷ついた
そんなの酷いと思わない?
隣のトリさん 負けじと
だけどあなたも ピーチクパーチク
でもねそれって ぴーぴーぴー
だってそんなの チュンチュンチュン
どうして
何を怖がる? 誰かの声を?
だけどトリさん達はカゴのなか
誰に
トリさん
誰もあなたを見ていないのに
あなたは誰も見つめてないのに
誰かの事を ピーチクパーチク
ピーチクパーチク あなたの不幸を
誰も幸せになれない冷たい歌を
何も変えることのない白けた歌を
自分の歌の意味さえ聴かず
誰かの声の色さえ見ずに
誰かが歌い始めるから
私も歌わずにおられない
聴きたくない言葉が世界を満たすから
見たくない色で世界が彩られるから
だから私は
鳩は ぼぉぼぉ
烏は かぁかぁ
雀 チュンチュン
ひよこ ぴーぴー
人の
言葉の意味が頭に染みて 心が軋む
ヒトの私は黙っていても 鳥にはなれない
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