手が届くのなら

雨音

第1話

私は恋を知らない。

高校二年にもなって初恋もまだなのは周りに誰もいない。

少しだが変な焦りを感じる。

別に、付き合ったことがないわけではないが恋人を好きにはなれなかった。

小さい頃の私は自然と少女漫画のような恋ができると信じ切っていたのだ。

あの頃はきっと純粋だったのだ。

まぁ・・・しかし、実際この惨状だ。どうしたものだろうか。

そんな変な焦りを感じていた時、ネットで仲良くしていた男の子から

告白された。私はしばらく誰とも付き合っていなかったしその変な焦りのせいとほんの少し恋ができることを期待して気づけば首を縦に振っていた。

彼とは好きなアニメの話が合ってそれなりに話していて楽しかった。

実際のように会って恋人みたいなことを強要されるわけではなかったので正直楽だった。まぁ、言ってしまえば友達みたいにいられることがうれしかった。

付き合って一週間ぐらい経ったころ、彼に突然歌を投稿するアプリを進められた。

歌自体は好きだったので別に嫌な気はしなかったのでアプリを入れてみた。

やってみると以外に楽しくて色々な人の色々な歌が聞けて楽しかった。


でも、この時の私は知らなかった・・・このアプリがきっかけとなって

”ある人”に恋に落ちてしまことを。

私が恋に落ちるまで・・・あと数分。

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