第13話 凛さんは甘党 ~プリン論争~

「プリン、プリン♪」


 休憩時間。大悟は冷蔵庫から好物のプリンを取り出し、ご機嫌な様子。


「あのさ、ディーゴ」

「んだ?」


 苺大福を片手に、要が大悟に話しかけてきた。


「プリンに醤油かけて、潰して食べてみなよ。ウニ味になるから」

「嫌だよ。オラが食いてぇのはプリンだ」

「何だよ、人のご厚意を無下にしやがって」

「そーいうの、よげーなことっつーんだ! オラはそのままがいーんだ!」

「ふんだ、意固地」

「このっ」


 二人が揉めていた、そのとき。


「やめなよ!」


 ある者の声が聞こえ、二人はハッとした。


「凛さん……」


 二人が振り返ると、そこにはC-membersのリーダーである、凛の後ろ姿が……。


「人には食べたい食べ方があるんだから、押し付けるのは良くないよ、要」

「うー……」


 要は少々不服そうだが、大人しくなった。


「ディーゴ、せっかくの大好きなプリン、おいしく食べようよ。そんなにプンプンしていたら、おいしくないよ」

「……はい……」

「うん、それで良い!」


 凛が間に入り、二人の争いが止まった。


「おれも今日、おやつにプリン持ってきたんだ~♪」

「お、凛さんのプリン、どんなのっすか?」

「これだよ~」


 大悟に聞かれ、自分が持ってきたプリンを見せようと、凛が振り返ると……。


「え゛っ?!」


 大悟は絶句した。


「プリンは飲み物にもなるんだよ~♪」


 凛がプリンにストローを刺し、飲んでいたからである。


「凛さん、いくら甘党だからってデカプリンチューチューは……」


 要が呆れ顔で言っているが、それでも気にせず、楽しそうにプリンを食……いや飲み続ける凛。


「疲れたときは、プリンを飲むと癒されるんだよねー」

「……」


 言葉を失った大悟は、ゆっくりとその場を離れて、プリンを食べ始めた。


「……凛さん、オラには理解できね」

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