極私的に用いる怪談。

作者 史乃かや

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★★★ Excellent!!!

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怖い体験というのは、得てしてこういうものだと思います。

何だか分からないけど怖い。

理由は分からないし、自分自身の状態だって説明できないもの。
時たま運よく、そういうものを「感じる」ひとに出くわしたりした時に、真相の一端がちらりと見えるといったものです。

それでも、古典の怪談みたいにすっきり辻褄がつくこともなくて、大部分が人間の無力さのうちに、思いがけぬ方向に流されて終わるのです。
後には呆然とした無防備な人間が残される……と。

こうしたものにいきなり首根っこを掴まれた人間の、「訳が分からないし説明がつかないけど、とにかく怖いんだ!!」というあの緊迫感が嫌でも伝わってきます。
作者様の日々の平穏をお祈りするばかりです。

……理由もなく「怖い」。
無視してはいけませんね。

★★★ Excellent!!!

――

筆者様の体験した4つのエピソード。どれも不気味な雰囲気を纏っていながらも、筆者様の霊的な力に対する畏れが描かれています。

全話に共通するテーマとして、「霊現象や科学的でない何かに対する意識を、どこまで他者と分かち合うか」。
オカルトや超常現象ほど、人によって態度が異なるものはめずらしい。全否定する人は全否定しか許さないし、一方では全財産を惜しまずそれに費やす人さえいる。
だからこそ不思議な経験をした人は、「どこまでそれを他者に話すべきか」ということに非常に頭を悩ませることになる。

この葛藤は実話怪談のみが持つ独特なもので、第4話の「ただ、どうしようもない話」にて率直に語られています。

まごうことなき実体験による怪談、堪能いたしました。