第6話冬至の夜、湘霊を懐かしむ

冬至夜懐湘霊


艶質無由見 寒衾不可親

何堪最長夜 俱作獨眠人




その艶やかにして麗しい姿は もはや見ることはできない


冷え冷えとした しとねに 肌を寄せることなど できやしない


なんと わびしく さびしいことだろうか


一年でも一番長いこの夜に


お互いに 独り寝をすることになろうとは



○貞元二十年(804)の作

 湘霊は中国古代王朝の五帝の一人である舜の后。

 その舜が旅先で命を落としたのを嘆き、湘水に身を投げ、その後は女神となったと言われている。


 そして白楽天が親しんだ妓女も、同じ名前だったらしい。

 冬至の夜に、逢うことが出来なかった独り寝の辛さを、古王の后の故事を引用し、詠み上げてある。

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