999レベルの俺、フレンドの一人もない件

倒れた豚カツ

プロローグ 孤高の狼と哀れなスライムキング

 狼、月が光り輝く夜空に浴びて、俺は孤高の狼であり、風に乗ってエモノに追いかけようとしている。独立、単独で爪を刺せる瞬間に待つ、その単なる一瞬を掴める為に牙を収まっていた。

 風が葉を吹き、声が鳴り、慎重な踏みが草を軽く掠め、暗い森の中から段々近づく、そのエモノへの元。


 そして、こっそりと、俺が爪を表した。


 スラスラスラーンンンンンンン!!と、絶叫だった、惨めな絶望的な叫び、安静なる静かな森を食い込めた。水音が断片に砕け散れ、その感じはまるでプリンにてスプーンを刺し、掻き回せて黒や黄が混ざり合えるように。

 そこで、代わりに青や灰がどろどろと散らす、木の質を腐食し、水溜りを蒸発し、土地を焼け。空気の流れを乱された悪臭と、俺の剣に残った痕跡、とあるスライム王と呼ばれるエモノが、俺の爪の下に消滅された。


「ふっふん、今回も完璧、流石にレベル九百九十九であるこの俺である実力、いや、才能、怖いぞ、俺の才能は怖いぞ!」


 現場から離れ、孤高である俺は夜空の下で一人に仰ぐ、同じく孤独らしい月に眺めた。だが、月は俺と違って虹色が傍に伴っている、まるで独りぼっちの俺を嘲るとしようかと。ええ、分かってる、レベル九百九十九に登った俺は才能か、実力か、それはどうでもいい。

 孤高でレベル九百九十九の俺は、ギルドか、チームの一つすら入った事はなかった、フレンドリストはいつも空っぽなまま。


「……はぁ……いや、どうか、神様、どうか俺をフレンドを与えてください……」


 俺は、この世界の神に寄って、隠さず願望を吐き出した。月が光り輝く夜空に浴びて、銀色の長髪が煌めき、清風の流れに踊り。狼、俺は孤高の狼である、草むらにて一人で歩き続けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る