第7話 初めてのクリスマス会 2

 親の何気ない言動で心が不安定な状態で生きているのだろうと思い、取り合えず、私は○○君が死んだら悲しいよ。

 他の人たちがなんて言ってるか知らないけど、私は○○ 君がいなくなるのは嫌だからね。

 ○○君が大好きだからね。

と言い続けました。


 その間ずっと抱っこしてました。


 すると今度は、自分には霊が見えると言い始めました。

 誰も信じてくれない、と言うのです。

 私は、「私は信じるよ。おじいちゃんは霊能者だからね。(これは本当)私には見えなくても、信じるよ。」と言い安心させました。

 ○○君に見えるならいるのよ。

みんなは信じなくても私だけは信じるよ。


 やっとこさ、○○君は落ち着いてクリスマス会に参加できました。


 次の日、○○君の愛情不足は、かなりマズイと思ったので、近所にある○○君のお母さんが経営する人気の美容院を訪ね、クリスマス会の事件を話しました。


 話し終えるとお母さんは泣きはじめちゃいました。

19才の小娘を前に。

自分もそんな性格で苦労してきたとか、息子がイジメにあっているとか延々と聞かされました。

 なんせ人気の美容院。

スタッフもお客様もたくさんいらして・・・。

 

  初めてのクリスマス会は、衝撃的なクリスマス会となり忘れられませんよ。


 ○○君のその後は、お気の毒な人生でした。

 大学附属小学校から、中学校は公立へ。

 そこでイジメに合っていたそうです。

 その後、田舎の高校へ行き就職した先で、暴れて退職。 行方不明に。

 知人の話によると、就職先に母親が呼ばれ、「あなたの子育ての結果がこうだ。」と説教され母親は、憤慨していたとか。

 生きていてくれたら○○君も、もう45才前後になっているはずです。

せめて、お姉ちゃんみたいなピアノの先生がいたなぁって、大好きだからね、信じるよ、と言って抱っこしてくれたなぁって、覚えていてくれたらなって思います。

                  続く


 

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