現代的魔法世界
ulce
第1話 これが現実なんだ
昔から読んできた本にはこう記されている
この世界とは別の世界があり、その世界は科学の力が進化、発展し特異な力を持つものはいない。
だが、この世界に匹敵するほどの進化を人間は繰り返してきた
その星の名を地球という
・・・・・
バタンッ!
「あ~ぁ...特異な力が無く...科学の進化した世界か...行ってみてぇな~」
志久才賀(しく さいが)は読んでいた本を強めに閉じ、その本をベッドの枕元に投げ本の後に続くようにベッドに飛び込んだ
志久才賀のいる世界には特異な力がありふれている、それは大きなものから小さなものまで、多種多様に存在している。
時間は夜の20時、才賀はただただその本と向き合っていた
プルルルプルルル
部屋のベッドの下から携帯の着信音が聞こえる
才賀はベッドの下の携帯を取り、画面を見る、クラスメイトからだった
「はぁ...この携帯も向こうの世界なら電力とかで動かしてるんだろ?...こっちは魔力を使わないとダメなのに...便利そうだな~...」
才賀は本の中の世界に憧れつつ気だるそうに携帯のボタンを押し、通信に出る
すると魔術の術式が四角の形に展開され、そこに通信相手のクラスメイトが移る
「お! やっと出たか! ったくもう寝ちまったのかと思ったぜ!?」
20時にもかかわらずここまで元気なクラスメイトは一人、悝弥恵斗(あざや けいと)だ
「何時だと思ってんだ~?」
「まぁそういうな!せっかく一緒のクラスになったんだし!そのよしみっつーことで!」
(そう、俺は今年から咲和泉学園に入学する事になっている...任務で。)
(任務?と思ったかもしれないが、任務なのだ、)
(なにせ俺は年齢にして17歳、まだまだ学生生活を謳歌すべき人間なはずなのだが...俺はこの世界の特殊部隊【TSF】に所属している...)
(なぜ?と言われれば応えよう、もちろん言われなくても答えるけど)
(この世界には特異な力がありふれている、その分起こる犯罪もそう簡単に鎮めれるものではない、特異な力の犯罪組織には特異な力の部隊で当たるしかないのだ)
(これはどこの世界も同じだろう....と信じたい)
(そして俺は特殊部隊TSFにスカウトされたのだ、もちろん半ば強引だったが)
(俺、志久才賀はこの世界でも珍しい魔導術式を扱える、さらに言えば魔力も一般のそれではない...らしい)
(魔導術式っていうのは言わば魔法と術式の上位互換みたいなもの)
(魔法=術式⇒魔導⇒魔導術式⇒魔導演算,,,みたいにまぁめんどくさい序列みたいなのがある、いくら魔力があっても術式はできなくて魔法のみに特化する人もいる、珍しさで言えば 魔法<術式 って事だ)
(おっと、すっかり反れちまったが、学校に入学する理由は、同じく入学するクラスメイトに変わった特異能力を扱う者がいるとかなんとかっていう話だ)
「まぁいいけどよ」
才賀は何事もなかったかのように恵斗に返事をする。
「明日一緒に行こうぜ!」
「あぁ~...わかった」
「よし!決まりだな!んじゃ明日8:00に迎えにいくわ!」
「了解」
こうして明日、恵斗と共に学校に行くことになった。
そして、恵斗との通信を終えると、ピピッという音と共に壁モニターに映像が映し出される
「と...いうわけなんですが」
才賀はモニターの向こうにいる人物に話しかける
「問題は無い、むしろその方が下手に怪しまれないだろう、自然に学業に溶け込み、対象の人物との接触を試みよ」
「了解」
「ところで総司令殿...」
「なんだ?」
「先日お話しした件ですが...」
「あぁ、学校での使用制限だったか」
「はい」
「術式および術式は使用してもらって構わんが、魔導や魔導術式の使用は避けてくれ」
「了解」
「以上か?」
「はい」
「それでは任務、引き続きよろしく頼む」
「はっ!」
才賀はモニターの人物に向かって敬礼する
そしてベッドに飛び込む
「はぁ~....今更学校生活送るくらいなら16歳の頃から送らせてくれよな...ったく」
才賀はあきれた調子でそのまま眠りに落ちた
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