@01391364

第1話

昨日見た夢を思い出しながら、花は風にそよがれていた。

彼女達は、何をどうされても抗えない運命を背負っており、時に子供にさえちぎられ、弄ばれる。

然るに、また、彼女らは、遊ばれることこそに自分の存在する価値があるということもよく承知していた。

虫に花蜜を吸われ、繁殖をし、枯れていくサイクルを繰り返す中で、そのような危険はあるべきであるのだ。

そして、また夢の途中の曖昧な部分を掘り起こそうと、ゆっくりと回想する。

空気はますます滞り、上空には薄い雲が弱々しく漂っていた。

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