好奇心猫を殺すその心理
一生初心者
手記
私はそれとわかる程張り詰めた神経でこれを書いている。
好奇心は猫を殺めるというが私は断じて猫などではない。しかし猫ではないが故に死を持ってこの世を去ることになるだろうか。何にせよ私ははたと見れば理解できる程精神が衰弱しきっている。愚かしい事だ。私の人生における僅かな目標でもあった好奇心という産物に身を焦がされた結末がこの様な理解不能な事象で後悔の気持ちを持つ事になるか。
私は知識を手に入れた。それ自体は私という一個人のとても喜ばしく、実に興奮させてくれるものであった。だが、それは私が手にしていいものでは無かった。あれはこの世に存在しているどの生を受けた者とも違う。あの団体は反社会的な異物や、身体の浄化などといった胡散臭い宗教に纏わる集団などではない。あれは単なる邪悪だ。現世にいてはいけないものなんだ──せめて妻に被害の及ぶ事の無きようにする事が、猫になれない私に出来る最後の人生の華になるだろうか。残された時間も分からない。何があるか。考えねば。息子にも、妻にも悪い事をした。
本当の意味の神がいるのならば、祈るべきなのかも知れない。とにかく今は時間が惜しい。悔いのない楽しく輝かしい人生を自覚しているが、まだ世には興味深い出来事があったものだ。出来ることなら掘り下げ私の脳としたかったのだが…私には無理のようだ。十分だ。感謝して、やるべき事をやろう。
愛する家族へ
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