峰岸さん

浅倉

1話目...10月30日


正確にその日付だったかは覚えていない。


その日は合唱の全国大会から帰ったばかりだった。

薄い液晶越しに聞こえる、未だ興奮から冷めない私の声に彼はうんうんと頷いてくれていた。

でも少しして様子が変わったので、心配になって尋ねたところ、彼は苦しそうに私に言ったのだ。



「好きだよ」



って。

私は面喰って少し黙った。

でも何故か私はすぐに、


「私も」と言ったのだ。

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