旅愁
黒雲の堆積と見えて、それはか弱く、
煙のように見透かされる
荒れ野の草は執拗な生命力で私を脅かす
口内に貼りついて乾かす砂の粒
欲望を形にしろといわれても術などない
術などない
どこにも行くあてなどない
いつか沼地にたどり着いたら
否、辿り着けたとしても
緑の蛙が陰湿な目で私を脅かす
どこにも行く術などない
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