短歌2

・雑記


山肌の薄き木末こぬれを透かしつつ 日は差し入りぬ車中の膝に




月見むと触れれば寒しバスの窓 震えるうちに曇りゆくかな




初詣の線香の火のくれなひが瞼に残る悪夢のごとく




イヤホンをはずしてふつと慄きたり 満員電車の重き静寂




揺さぶられ明日はいづこへ行く身かな 頼むべきひと一人もあらず




恋ゆえに狂ひし人を憐れめど 恋せぬ我をさびしとも思う



川端の珈琲店のささやかさ 客だか何だかわからぬ人の訪ふ






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