竜を狩る少女 少女を守る竜

第11話 いんたーみっしょん

アズウェル 「誰がロリコンだ、誰が？」

アニー 「だってしょうがないじゃい。初対面の女の子に竜の逆鱗なんて代物を惜し気もなくあげちゃうし、一緒に宿に泊まったり……」

アズウェル 「お前なぁ、人に散々世話になっといてよくそんな事が言えたもんだな」

アニー 「えっとね……いろいろ事情があるのよ」

アズウェル 「事情？」

アニー 「うん……言いにくいんだけど……」

アズウェル 「なんだ、言いたい事ははっきり言えよ」

アニー 「PVが伸びないの」

アズウェル 「はあっ？」

アニー 「たから、PVが伸びない。つまり、あんまりこの小説を見てくれる人がいないのよ」

アズウェル 「マジでか？」

アニー 「うん」

アズウェル 「そっか……薄々そんな気はしてたんだ」

アニー 「そんな気がしてたって？」

アズウェル 「ああ。根本的に言ってこの小説には足りないモノがある」

アニー 「足りないモノ？ わかった、読者さんだ！！」

アズウェル 「そーゆー事言うな、バカ！ まあ、確かに足りないけど……って、そんな事言ってる場合じゃ無い！ この小説には致命的な欠陥がある！」

アニー 「致命的な欠陥！？」

アズウェル 「ああ。だから読者さんが増えないんだ」

アニー 「それで何よ、致命的な欠陥って」

アズウェル 「女の子だ」

アニー 「はあっ？ 私というヒロインがいるじゃない！ それとも私に何か問題でも？」

アズウェル 「こら、落ち着け。俺が言いたいのは女の子がお前しか出てないって事だ」

アニー 「そっか……いくら私が完全無欠の美少女でも世の中には色々な趣味の人がいるものね」

アズウェル 「(誰が完全無欠の美少女なんだか……) まあ、そういう事だ。だからテコ入れとして次回は新キャラを出そうと思うんだが……もちろん美少女の」

アニー 「却下」

アズウェル 「なんで！？」

アニー 「(そんな事したら私の出番が減るじゃない) 無駄だから」

アズウェル 「なんで無駄だって言えるんだよ！？」

アニー 「私……知ってるの……」

アズウェル 「知ってるって……何を？」

アニー 「アズウェル、ユニークって言葉知ってる？」

アズウェル 「面白いとか？」

アニー 「はいはい、ベタなボケをありがとう」

アズウェル 「いや、俺、マジで言ったんだけどね」

アニー 「ユニークというのはね、『唯一の』とか『独自の』って意味があるの。言ってみればユニークが増えないという事は新規で見てくれた人が増えてないってことなの」

アズウェル 「えっ、そうなん？」

アニー 「うん、多分。だからもっと他にするべき事がある筈」

アズウェル 「他にするべき事？」

アニー 「タイトルを変える」

アズウェル 「マジで？」

アニー 「多くの人に見てもらおうとすれば、まず目立つ事が大切。ね。小説で目立とうとすれば……」

アズウェル 「投稿時間を考える！」

アニー 「それはもう試したわ。まあまあ効果はあったけど、まだまだ足りないの」

アズウェル 「変わったタイトルで人目を引こうってのか？」

アニー 「いえす、あい、どぅー！」

アズウェル 「しかしなぁ、『竜を狩る少女 少女を守る竜』って、ちゃんと意味があるんだこどなぁ……」

アニー 「もはやそんな悠長な事を言ってられないの」

アズウェル 「どういう事だ？」

アニー 「そろそろ疲れたの」

アズウェル「はあっ？」

アニー 「あまり人が見てくれない事に」

アズウェル 「それ、お前の気持ちじゃ無いだろ」

アニー 「だからね、こーゆータイトルはどうかな？」

アズウェル 「人の話聞いてるか？」

アニー 「竜を狩る少女のバディはロリコン狩人」

アズウェル 「誰がお前のバディなんだよ？ って、それ以前にロリコンから離れろ！！」

アニー「事情があるって言ったでしょ。やっぱりインパクトが大きいのよ。ロリコンって言葉は」

アズウェル 「それで俺がロリコン扱いされてんのかよ……って、女の子がロリコンロリコン言うもんじゃありません」

アニー 「だからもうそんな事言ってる余裕は無いの」

アズウェル 「わかったわかった。もう黙ってろ」

アニー「じゃあ、何か考えてくれる？」

アズウェル 「お前がそんなに疲れてるのなら……」

アニー「疲れてるのなら？」

アズウェル 「エタるか？」

アニー 「………………」

アズウェル 「恵田るってのは、よくある事らしいぞ。お前が辛いなら仕方ない、エタっちまおう」

アニー 「バカぁっ！！」

アズウェル 「えっ？」

アニー 「何を言い出すのよ？ ほんのちょびっとだけど、応援してくれてる人だっていてくれてるんだよ！」

アズウェル 「……悪かった。そうだな、一人でも応援してくれてる人がいてくれる限り頑張らないとな」

アニー 「そうよ！ 」

アズウェル「お前が疲れたって言い出したんだろーが」