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「…仮想現実っつーのはそのまんまだよ…つってもコンピューターとかネットの中の世界とは違うけど」
「…コンピューター?ネット?」
「つまりは、同じ世界だけど違う世界…いわゆる周波数やチャンネルが違う世界…?」
平行世界…とはちょっと違うし…
ゲームや漫画とかテレビの世界に入れる…と説明した方が早い、か…?
…リザリー達ならば、登場人物や敵の居ないゲーム世界…で説明がつくのに女神や神がゲームなど知るわけないので疑問符を浮かべながら説明する。
「…チャンネル…周波数…?」
「…分かった!別次元、別空間を生み出す装置、だ!」
「「…なるほど」」
またしても俺の表現が分からなかったのか首を傾げる大地神ガイアに、急に閃いた表現を使うと…
時空神クロノス共々意味が理解出来たのか納得したように呟いた。
…良く考えたら別次元って平行世界と似たようなアレだから、別空間だけで良かったかも…
「…別空間はどんな感じ?」
「理論上は俺らの世界から生物を除いた世界…だけど」
大地神ガイアの問いに俺は曖昧な感じで答える。
…確かに完成はしたし、開発途中で別空間にも入った…けど…
色々と調整する前だったからその時はまだ地面と空と海ぐらいしかなかったんだよな…
だから完成した今がどんな感じなのかは分かんねぇ。
「…なるほど」
「まあとりあえず草木の無い世界だと思っておけばいいよ」
草木だって生物だから除外されるし、と簡潔に説明した。
「…なぜそれを作ろうと思ったの?」
「…ん~…説明すると長くなるし、うまく言えないから…ザックリ言うと、俺の正義を成すため」
「…正義?」
「分かりやすく言うなら最終的には女の子のため」
大地神ガイアに理由を聞かれたのでかなり省いて答えると首を傾げられたので、簡単に纏めて話す。
「…女の子…」
「その中には当然この世界の女神達や冥界の女悪魔共も含まれてるけどな」
「…貴様はこの前会った時から何一つ変わらんな」
大地神ガイアが何かを考えるように呟くので範囲を教えると、ここで時空神クロノスが口を開く。
…5~6年前も昔の事をこの前、かよ…相変わらず寿命の果てしなく長い神は羨ましい事で。
「…人間が直ぐ死ぬだけ」
「…まあ俺は人間じゃねぇから少しは長く生きれると思うけどな」
…その前に殺されなければ。
まるで人間がハムスターの事を話すような感じで言うので、複雑な心境になりながら地味に反論する。
「…そう」
「…ま、やっぱり神に比べればソレもあっという間だろうけどな」
俺は少し嬉しそうに呟いた大地神ガイアに少し自虐的な感じで言う。
…神の寿命がどれだけかなんて分からねぇし。
俺らの世界の時間に換算すると数億年ぐらいは生きてたりして。
「…時間の概念は、良く分からない」
「…あれ?そういやクロノスとガイアってどっちが年上なんだ?」
俺の内心の考えに返事をするが、そんな反応に困る事を言われても何も返せないので…
たった今浮かんだ疑問を聞いてみる事に。
「…さあ?」
「…どちらが先に存在したか、などそんな事は今まで考えた事も無い」
「…マジで?子供時代とか無いの?」
「「…無い」」
大地神ガイアと時空神クロノスの言葉に俺が疑問を問いかけるも二柱とも同時に否定した。
「ウラヌスとかヴィーナスとかの子供時代も?」
「…気づいたら存在していた」
「…だから、無い」
「…俺もミステリアスを気取ってる方だが…神には勝てねぇな」
いくらなんでも謎すぎるだろ…と俺はこれ以上聞いても無駄だと悟り、追求をスッパリと諦める。
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