43
「…ねえ程人、あなた英語話せるよね?」
リザリーからの折り返しを待ってると電話が終わったであろう母さんが急に良く分からない確認をしてくる。
「え?一応は話せるけど…」
「良かった…!じゃあちょっと通訳、お願いしても良い?予定が入ってないのに外国の人が来てるっていうから…」
…10歳の頃から外国の学校に通ってんだから話せないとマズくね?と思いながら肯定したら、母さんが可愛い仕草で両手を合わせて頼み始めた。
…ぐお、40代でその仕草は痛い…と一瞬思ってしまったが見た目が若々し過ぎて似合ってるとしか言えねぇ…
「…まあ暇だからいいよ」
「ありがとう、じゃあ…20分後に家から出ようか」
本当は金属防具一式や『柄(仮)』の調整があるから暇じゃないんだけども…珍しい母親の頼みとあっちゃあ断るワケにはいかんだろ。
…幸か不幸か、時間はたっぷりあるんだから。
…つーか英語て。
何故か異国では世界共通語を『英語』っていうんだよな…
その昔の元イギリスの白人がコロンブスみたいに冒険だか領土拡大だかで元アメリカ大陸に渡り、それからその言語が色んな所に広まった。っていう説と…
単に元イギリスと元アメリカが偶然同じ言語を喋ってて、頭の良い白人が頭の良い黒人と言語を名付けるための勝負して白人が勝った。って説と…
元イギリスの白人達が元アメリカ大陸を侵略して、大陸全土に根付いた説ってのがあるが…
異国がなんで世界共通語を『英語』…イングリッシュって言ってるのか分からねぇし。
俺が小さい時から英語英語イングリッシュ…って言われてたけど、実際は共通語…コモンランゲージっつーね。
世界言語、インターナショナルランゲージっていう無駄に長い言葉もあったりするけども普通は『共通語』『世界共通語』ってしか使わない。
…ホントなんでこの国は英語って言うんだろ?
英国なんてもうとっくの昔に統合されて無くなってるのに。
…にしても外国の商人との契約って大変だろうに…
良くやろうと思ったな、その根性は凄ぇ。
…これも聞いた話だけど…
個人レベルじゃない日本国外との繋がりって全て外務省を通して許可を貰わないといけない上に、仕事関連だと更に政府の許可がいるらしいよ?
この仕事なら提携はオッケー、この商品の輸出輸入はダメ、技術が漏れる恐れがあるから商品の共同開発はNG…とか。
…俺はそんな面倒な事してご苦労だな…とバカにしてるが、そういう外国のに政府が管理…
というより干渉?してるから国内の技術は完璧に守られてる…って言い方もできるワケで。
まあそこまでして守る必要があるのか?って疑問ではあるけどさ。
どうせ日本の技術が漏洩したところで他の国じゃレベルが低いから扱えないんだし…
そもそも魔物がいない他の国より安全な所でしかできない事を、危ない国でやろうってのが間違いだから結局技術がパクられる心配なんてないのにね。
「…ごちそうさま」
「…時間まで暇だなぁ…暇潰しにマッサージでもしてあげようか?」
「え?いいの?」
武器の手入れをしようにも、武器の調整をしようにも残り時間が微妙なので…
合法的に身体に触れる手段を母さんに提案すると驚いたように聞き返される。
「何をするにも微妙な時間だからねぇ、たまには家族サービスってやつでもしとかないと」
「じゃあお願い」
特にやましい気持ちも無ければ、善人のようなサービス精神の気持ちも無い。
本当に時間を潰すためなので思いつきの適当な理由を言うと、容器をゴミ箱に捨ててソファに座った。
「んじゃま、肩から………結構凝ってんなぁ…」
母さんは俺に背中を向けて座ってるのでその体勢から出来るのは肩揉みぐらいしかないのでとりあえず肩を揉む。
「…あー…気持ちいー…あ、ソコソコ…ソコ良い、もっと…」
…いやらしさのカケラも無い行為のハズなのに、母さんのセリフが卑猥に聞こえるのは何故だろう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます