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上手くいけば今日で終わりそうだし…さっさと終わらせて発明品のデータ収集と改良をしようっと。



『柄(仮)』は性能的にもっと伸びるだろうな…



金属防具一式の調整も残ってるから…



今週は妖怪退治のために異国に在留する事になるか。



…生まれ故郷とはいえ、滞在ビザの問題がどうなるかは知らんけど。



まあバレても上を脅してどうにかすりゃ良いから問題ないっしょ。



一応声を変えて事務所の電話で警察に電話し、ヤクザの親玉がいるであろう地域の路地裏へと影移動した。



…おっと…また警察になんか言われると面倒だから無名は背中に隠しとこ。



俺は剣を背中とズボンに隠してヤクザの家を探す。



そして道行く人に場所を聞きながら歩く事20分。



ようやくでっかい門の前に『秋山会』と書かれた看板がある建物へと辿り着いた。



…前の時もそうだったけど…こんなデカデカと主張していいの?



…流石に車や人通りがあると剣を使って門をぶった斬るってワケにもいかねぇし…



インターホンを押して出てくるヤクザをぶっ倒して強行突破ってのも目立つ…



…どうしよ…ってかこんな人通りがある場所に建ててんじゃねーよ。



もっとこう、路地とか…昼間だと周りに人通りが少なそうな所に建てとけや。



…しゃーない、さっそくだけど奥の手を使うか。



「リアクター、オン」



ポケットから『柄(仮)』を取り出して魔石の魔力を使い詠唱破棄で魔術を発動させる。



因みに、この魔術で形作られた刃の部分は魔力持ちで魔術…忍術を使えるやつじゃないと見えない。



…単純に魔力を持ってるだけでは見えないんだなー、コレが。



一応俺も目には見えないが、発動させてるので形は当たり前の事…大きさや長さも普通に把握出来てるよ?



…まあ、モノをイメージしてる本人がソレを分からないって意味不明だしね。



普通の人には見えない剣で門の中心の隙間に差し込むように鍵?の部分を斬った。



「お邪魔~」



一応誰も聞いてないと思うが挨拶をして敷地内に入る。



…さーて、今回はヤクザの親玉をビビらせて情報を吐かせないといけないから…多少の被弾は覚悟しないとな。



まあ頭以外なら服に当たって落ちるだけだけだから大したダメージにはならないけど。



「ん?お前だれ…」



敷地内を歩いてるとスーツを着けた男に見つかったので『柄(仮)』で首を刎ねた。



雑魚に用はねぇ、大人しく死んどきな。



「…リアクター、オフ」



建物の中に入る前に魔術を解除して『柄(仮)』をポケットにしまう。



…見えない剣で斬ると楽ではあるんだが魔力の消費が勿体無い。



今回は無名だけで十分そうだから温存して置いた方がよさそうだ。



裏社会のドンとやらの所に半妖とかいうのがいたら面倒だし。



「…お前、誰だ?」


「なんだお前?」


「…誰かの付き添いか?」


「キャー!!!」



廊下で会う度にヤクザの首を刎ねながらオヤジとやらを探してるとなにやら女性の悲鳴が。



…ついにヤクザの死体が発見されたか…



俺の存在を示すために死体を隠す気もなく放置してたんだから、逆に全く気付かれなくても困るけど。



「なんだ!?」


「なにがあった!?」



おそらくメイドであろう女性の悲鳴にヤクザ達が慌てて出て来たので、横に真っ二つにして顔面を刺す。



…俺の所に現れたのが運の尽きだな、別の方向から向かえば死なずに済んだかもしれないのに…



「お」


「…なんだお前は」


「おい、どこの若い衆だ?いきなり入ってくるなんて礼義がなってな…」


「今から死ぬやつに礼儀は要るまい」



なんか人が集まってる部屋に入ったらみんなに視線を向けられたので、とりあえず一番近いやつを無名で斬ってそう告げる。



「!?出入りか!?」


「どこの組だ!!」


「オヤジを守れ!」



部屋の中の男達は慌てて立ち上がると上座らしき場所にいた年配のおじいちゃんを守るように移動した。



「へぇ…そいつがトップかい」


「撃てぇ!」



俺が呟くと男達の内の一人が懐から拳銃を取り出し、合図的なことを叫んで俺に向かって撃つ。



「撃て!!」


「乗り込んで来た事を後悔するんだな!」


「蜂の巣にしてやるんだ!」



6~7人の男達が拳銃をぶっ放したので一応無名の刃で首や顔をガードする。



…生身でモロに食らうと体内に鉛玉が残る場合があって取り出すのが面倒だからなぁ…



貫通してくれんなら大したダメージも無いからガードする必要なんて皆無だけど。



まあ今回みたいにわざと食らおうとしない限りはまず当たる事が無いから、そんなアレはどうでもいいが。

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