23
一旦家に帰って自転車を置いた俺はある場所へと影移動して変装した後に、文京区にあるヤクザの事務所へと影移動。
「アニキ出さんかい!コラ!!」
そんでもって飯塚組とかいう看板がかけられたドアを蹴破り、見た目と合わないドスの効いた低い声を出して叫ぶ。
…部屋の中にはいかにもなヤクザが5名ほどいて、さっきの事務所のように上座っぽい所にデスクが置かれていた。
「…あ?ワレ、どこのモンじゃ」
「気安く触んな」
「「「「!!?」」」」
5人の内の一人が俺の胸ぐらを掴んで脅して来たので、そいつの顎に手を当てて張り手でもするように上に突き出す。
するとペキ…と何かが折れるような音がして目の前の男が崩れ落ちる。
「…何見てんだよ!さっさとアニキ出せゆーとんじゃ!!」
「ハタ!お前…!ハタに何を…」
再び似たような事を叫ぶとヤクザの一人が倒れた男に駆け寄ったので…喋ってる最中に抜刀して首を刎ねた。
「な…!!」
「アニキ!!」
「出入りか!?」
俺の行動に驚いたヤクザに、倒れた男に駆け寄るヤクザ、現状をいち早く察知して拳を構えるヤクザ…と三者三様の反応をする。
「よっ…と、動くな」
俺は構えたヤクザとの距離を素早く詰めて首を刺し、横に薙ぐように身体を反転させて男の体を抱いてるヤクザの首を刎ねた。
そして動けずにいる残り一人のヤクザの首に剣を突きつけて制止の言葉を告げる。
「…な、何が目的だ…!金か!?それとも潰すように頼まれたのか!?」
「いやぁ、アニキ…いや、組長に会いに」
「組長に…? しげ兄なら今は外出中だ…だが、なぜこんな事を…?」
両手を上げて降参のポーズを取りながら慌てたように聞いてくるヤクザに嘘の答えを言ったら、なぜか両手を下げて不思議そうに尋ねた。
…組長が居ないの分かった以上コイツを生かしておく理由も無いのでソレを無視して首を刎ねる。
…外出中とはどうするか…10分ぐらい待って来なかったら書き置き残して帰ろうかね?
一応少しは待ってみようと血で濡れてない方のソファに座った。
なんか色々と暇を潰す事15分後。
「帰ったぞ…のぶのヤツがどっかの組に……っ!?」
「やあアニキ、おかえり」
誰かが喋りながら入って来ると、部屋の惨状を見て驚愕したようなのでカマをかける意味合いで挨拶する。
「…アニキ、だと…?お前誰だ?いや、そんな事よりお前がやったのか?」
「まあまあ、そんな事は置いといて…それよりあの女の子の誘拐の件はどうなったの?」
男が不思議そうに質問責めしてくるが俺はサラリと流して本題に入った。
「誘拐の件、だと…?お前…!まさかオヤジに…!?あ、アレはのぶのミスで……!まさかのぶの件は…」
「オヤジ…ねぇ、誘拐の失敗の件でそのオヤジとやらの指示でこの人たちがアニキを殺そうとしてたから…つい」
男はまたしても驚愕し、意味不明な事で弁解し始めたのでとりあえず適当に話を合わせて誤魔化す。
「なんだと!?オヤジが…!」
男は自分で可能性に行き着いたくせになぜか俺が言うと驚く。
いやいや、さっきオヤジが…!?とか言ってたのになんで今オヤジが…!って驚くの?
あの人ならやりかねねぇ…的な感じだったのが、マジでやったのかよ!に変わった系?
「死んだ組長に頼まれてアニキを助けに来たんだよ…オヤジを説得するから協力してくれない?」
「死んだ組長…?…もしかして信安か!それにオヤジを説得って…」
俺の嘘がこの男に見抜けるワケもないので普通に信じたらしい。
「とりあえず俺は何も知らない、聞く前に踏み込まれてね…だから説得の材料が欲しいんだけど…失敗した誘拐って誰からの指示?」
「そうか…誘拐の件はオヤジ直々の指示で、詳しい事は俺も…確かオヤジの親友がどうとか言ってたような…」
俺があたかもあなたの味方ですよー、的なでまかせで問うと男はペラペラ喋ってくれる。
「…うん、よし分かった…相手側に忍者が居て話が違ったって事にしよう」
「相手側に忍者…?」
「そう、なんでも事務所に押しかけてきたとか…ソレをオヤジに伝えればもしかしたら…」
どうせコイツも殺すんだし…と式使のお姉さんの存在を利用して案を話した。
「そうか…!確かに忍者の存在を俺たちに伏せてたとしたら、失敗しても俺たちの責任には…!」
「…決まったな…本家の場所は?オヤジがそこにいるといいけど…」
「オヤジは用がある時以外は基本的に新宿の神山にある秋山会の本家にいるはずだ」
「新宿の神山ね…あんがとさん」
必要な情報は聞き出せたので、男が早々と事務所から出て行こうと背中を向けたところを…後ろから無名でスパッと刎ねる。
…そろそろ黒幕も近いな…
展開的に、おそらくヤクザの元締めの親友である裏社会のドンとやらが犯人だろうが。
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