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側から見てる俺らには簡単に思いつく攻略法だけど…



ワケも分からず目に見えない攻撃を食らってるマキナが果たして気づくかな?



普通なら左右に逃げてもダメージを食らうってのはパニックになるから判断力が鈍ってしまう。



すると正常な判断が出来なくなるワケで…



無作為に降って来る、ってのもどこが安全なのかを判断させ辛くする要因の一つだが。



ランダムだとどこまでが安全なラインだか分からないからねぇ…



規則性が無いから余計にタチ悪い。



…ハメ技ってやる側だと最初は楽しい、けどやられる側だとストレスマッハだよ。



「…マキナー!!」



俺が内心ハメ技のウザさを再認識してるとショコラが手を振りながら大声でマキナを呼ぶ。



…あ、コイツ…攻略法を教えやがった!



…今回だけは大目に見るか…逃げられない上に地形的に不利だし。



「…あっ!…あうっ!!」



マキナは俺を見て何かに気づいたように声を上げ、衝撃波に押し潰される。



それでも直ぐに立ち上がり俺らの所まで走って来た。



…おおう…さっきは結構な、と表現したが…これはかなりの、に変更だな。



服もボロボロだし…かなりのダメージを受けてるっぽいぞ。



…一体どれくらい食らったのか…



「珍しいな、お前がそんなボロボロになるなんて」


「いやー、空から降りて来ないなんて卑怯だよ…でも次で決める!」



俺が声をかけるとマキナは疲れたように呟き、ようやく本気を出したかのように叫んで走り出す。



「…卑怯だとよ」


「出来ないのから見たら出来るってだけで卑怯だと思っちゃうからなぁ…」


「別に言うだけなら良いんじゃないか?負けた時の言い訳に使ってるワケじゃないし」



含みを込めた俺の言い方にショコラは普通に笑いながら呟き、エルーはマキナを擁護した。



「…ていっ!…レール…ガーン!」



ギリギリ危険地帯一歩手前で止まったマキナは、地面を殴って割るとカケラを持ち上げて投げ…



ソレを殴り部下に向かって撃ち出す…という遠距離攻撃に打って出る。



…遠距離攻撃に対して遠距離攻撃とは…



「…斜め上ってあの位置大丈夫なのか?」


「どうせ燃え尽きるから大丈夫じゃない?」



まあ当然避けられたが…アレで発生しそうな二次被害を心配して聞くと、リザリー達はさして心配してなかった。



「てーい!!」



…普通にやっても当たらないと考えたのかマキナは地面のカケラをチョップで拳大に割ると、ソレをぽいぽい投げてどんどん殴り大量に撃ち出す。



…下手な鉄砲でも数を撃てば当たる…作戦なのか?



「ガッ…!」



流石に一発の威力が半端ない禁止技での攻撃を、マシンガンのごとく連続で撃ち続けられたらいくら俺の部下と言えど避けきれないワケで…



燃えるほどの超スピードで飛んでくる土の塊を十数発ほど食らった所で部下は落下する。



…因みに…最初らへんは拳大だったけど、撃ち出す地面のカケラは地味に大きさを増していってるっぽいので…



当然魔力で強化されてるとはいえ当たるとダメージは免れない。



…一応この世界の魔物、人間なら一撃必殺の威力だし。



…そんなのを十数発食らうまで落下せずに耐えたのは流石は俺の部下だ。



「…マキナ!平面には撃つなよ!」


「…!!…そ、そうだった…」



マキナは落ちてくる俺の部下を狙ってまた地面のカケラを撃ち出そうとしてたので、ヤバイと思い制止した。



…夢中になって忘れてたのか?



下手したら街に災害をもたらすレベルの技なんだからもっと気をつけろよ…



「…良く止めたなぁ…」


「私も気づかなかったわ…」


「…そういえばアレは禁止技だったな」



俺が内心呆れてるとショコラ達が少し驚いたように呟く。



「いやいや、お前らも止める立場だろうが」


「いやー、つい夢中になっちゃって」


「あの魔物が強いからうっかりしてたのよ」



若干責めるように言うと全く悪びれもせずに言い訳する。



「…つい、うっかりって…まあいいや」


「…それより…禁止技が使えないということはマキナがまた不利になったな」



結構な問題に発展するのに軽いなー…と思いつつも面倒になってきたので、適当に話を打ち切ったらエルーがマキナの状況を説明し出した。



「そうだね、さっきはあんまり効いてなかったようだし…」


「まあアイツなら魔術で攻撃するんじゃね?そうなりゃもう決まったも同然だろ」


「…そうね、私もそろそろ準備しようかしら…」



ショコラが考えるように呟いたので適当に返すとリザリーは俺に同意するように呟き、軽く身体を動かし始める。

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