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…っと、ソレはさておき。
俺が、潜入を終えたのにも関わらず、女の子の修行に付き合ってるのには理由があって…
その理由が黒騎士の紛い物を逃がしてしまったから。
秘密結社の目論見を潰し、組織も潰したとはいえ…主要メンバー達には逃げられてるし?
またいつ復活するか分かんねぇんだよなぁ…
化身なんてせいぜいナンバー2だし、トップを潰さない事には…
つーか俺の予想じゃ、もう少し長引くと思ったんだけどねぇ。
…まあゲームの出来事なんて初めてからクリアまで結構な章数あっても、ゲーム内では一週間も経ってないケースとかあるから…
仕方ないと言えば仕方ないのかも。
俺のコレだってもしかしたら一期丸々使って一日しか経ってない場合だって無いとも限らないし?
そこらへんはやっぱり…ねぇ?大目に見ないといけない系だったり。
そんなこんなで、少しは女の子との修行風景っつーのも少しぐらいは…
と思ったけど、やっぱりカットで。
…ん?…思わせ振りな事をすんな。って?
いやいや、思わせ振りな事なんてしてないよ?
だって期待してないっしょ?
…期待してたら謝るけどさ。
まあ飛ばしに飛ばして女の子との修行の場面も飛ばして…
ダイジェスト的にいうなら、あの女の子は結構強くなった。って事かね。
俺の部下達に勝てないまでも複数対一でも多少は戦えるようになってたし。
…ありゃ仕方ねーよ、だって俺の部下だぜ?
タイマンならともかく、新撰組よろしく複数で戦うやり方を叩き込んだんだから勝てるワケがない。
…とはいえ部下達は強襲とかの不意を突いた戦い方が得意なんだから、正面切っての正々堂々の勝負には弱いけど。
あ、コレ内緒な。
…とまあそんなこんなで今の状況とやらに戻ろう。
俺が今居るココはリザリー達がいるいつもの研究所のとある一室だ。
そして俺の前には一つの収納ボックス。
その収納ボックスの蓋の両端には簡単に開けられないようにするためなのか、南京錠のような物が付いている。
なぜこんな状況になったのかと言うと…
調停者側としての色々と面倒な仕事を終えた後…俺はユニオンのいつもの公園のいつものベンチで寝ていたんだが…
なんか研究所に俺宛ての届け物が届いた。となぜかソレを知らせるためにエルーが公園に来ていた。
わざわざ公園まで来なくても電話で言えば済んだ事なのに…
そんなに暇だったのか?っつー事はさておき。
エルーと一緒に研究所に行くと入口に南京錠のような鍵の取り付けられた収納ボックスがあり…
ソレの中身を確かめるために部屋を借りた、というワケ。
因みにこの収納ボックスの送り主はエリアだとか。
「…お、コレは…懐かしいな…」
錠を刀で斬って蓋を開けると…中には昔、暗殺用に作った武器の類いが色々と詰め込まれている。
「…なんだソレ?」
後ろで見ていたエルーは俺が手に取った爪楊枝の形をした針を見て聞く。
「コレは中に毒液を入れるタイプの注射器だよ」
ココを押すと先端から出る、と俺は爪楊枝の後ろ側の凹凸部分を指差して説明した。
「…なるほど、毒針というワケか…」
「そう、それ…この形だとターゲットに刺して直接注入するやり方と、食事に混ぜるやり方が選べる」
爪楊枝よりも細いから暗器としても使えるし、食事に毒を混ぜるのも自然な動作で行える。
「ちなみに…ソレには何が入ってるんだ?」
「ん?さあ…?多分ボツリヌストキシン辺りじゃない?」
「…ボツリヌス…あの大昔には死の細菌とか呼ばれていた毒素か?」
俺が爪楊枝のような針を見ながら適当に返すとエルーは少し考えて聞き返してきた。
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