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和洋折衷料理ならぬ和中折衷料理?



最近は海老の旨味を引き出すためにオイスターソースやXO醤にチリソース、ケチャップを混ぜて、エビチリ用の黄金比ソースを研究してるとかなんとか…



お好みに合わせて豆板醤とかを隠し味で入れたりするのも美味しいらしいね。



昔は良くウスターソースだのドミグラスソースだのトンカツソースだのアメリケーヌソースだのステーキソースだの色々混ぜたなぁ…



肉魚を使ったどんな料理にでも合う究極のソースを作ろうとしたのは懐かしい思い出だ。



結局最終的に辿りついたのが、料理によって比率が違う…その料理に合った黄金比に調節する事が一番美味しくなる!だったけど。



やっぱりどんな料理にも超絶合う魔法のソースなんてこの世にはねぇよ。



どんな料理にも合うっつーグローバルな万能ソースは作れたけどさ。



あ、どんな料理にも…って言っても所詮は炒め物や煮込み系とかいった火を通す料理だけ、だから。



サラダとかデザートはまた違った…ってアレ?いつの間にか料理系の話しに流れてるぞ?



いかんいかん…料理の下拵えに集中しなければ。



「終ーわり」


「…手伝いに来たのですが、もう終わられてますね…ありがとうございました」



日が沈み始めた夕方。



ようやく夕飯の下拵えを終えるとメイドが厨房にやって来た。



「そろそろ子供達が帰って来る時間だな…よし今日の夕飯は俺が作って進ぜよう」


「え…!いいんですか?」



メイドは俺の言葉に驚きながらも嬉しそうに返す。



「いやーだってせっかくここまで下拵えしたんだし…コレを活かせるのは俺かお前達だけだろ?」



流石に子供達にはまだそのレベルの料理技術は無いだろうし。



一番上手い子供でもせいぜい家庭料理のプロ、ぐらいじゃないかな?



俺が仕込んだコレを活かす事が出来るのはおそらく料理の達人レベルじゃなきゃ無理だと思う。



…それが自分自身の過大評価じゃなければ。



「私共からすれば願ってもない提案ではありますけど…」


「ふっ…子供達にお前の戸籍上の父親は本当は凄いんだぞって所を見せてやる」



今のままじゃ、ロクに定職にも就かず家の事は全てメイド達に押し付けてフラフラ放浪しながら偶に帰って来るダメ人間…と思われてても仕方ないからな。



くっ…良く考えたら家庭を顧みない放浪ニートの肩書きに…!



放浪ニートにプラスで『家庭を顧みない』が付いてしまう危険性が!



…俺、ハタから見たら物凄いクズじゃん。



え、これって地球救ってるのに働かないニート扱いされてるドラ○ンボールの主人公と似た感じ?



あの超逆玉の輿にのった某星の王子様的な?



おう、マジか…



でもアレって考えようじゃね?



恐怖の大魔王やら魔族やら異星人やら魔人やら倒してるんだからソレはソレで働いてるって事になるだろ。



あわよくば宇宙の帝王みたいのも倒して色んな星々を救ってるし。



本来なら星の一つや二つ贈呈されても良いぐらいの功績だと思うけど…



年収が国の国家予算を超えても不思議じゃないぐらいの働きを見せてるのに、無職で収入ゼロっておかしくね?



…待てよ、逆の考えだ。



主人公がもし、報酬を受け取ってないとしたら…?



『オラが悪い奴をやっつけてやったぞ、でもお礼は要らねぇ』的な聖人、聖者も真っ青な…正に神。



そうか!あの主人公は神だったのか!



だから報酬も受け取らず、人々に理解されなくても人々を…地球を守るために戦っているのか。



しかも名前や存在が知られてないからどっかの異世界とか最強物みたいに人々に迫害される事も無い。



凄ぇ…凄ぇぜド○ゴンボール。



書いた作者のこの溢れんばかりの才能がぱねぇ。



主人公が成長する、けど死ぬ、でも最強、だけど迫害されない…っつー斬新すぎる飽きない設定を詰め込んだような作品!



……………ってアレ?なんでまた脱線してんだろ…ともかく夕飯を作るか。

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