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…コレはボケる相手を間違えたかもしれないな。
怒られるのが面倒でマキナを選んだのが間違いだったか…
リザリーだったら俺の期待通りツッコんでくれたかも。
ツッコんでくれよ、と言う前に電話が切れたのでなんかこう…モヤモヤするというか不完全燃焼感?がアレだ。
うん。
「お待たせしました」
部屋の前で内心モヤモヤしてるとメイドの最後の一人が鍵を持って歩いてくる。
大量の鍵を外して中に入り、鍵をかけていつものアレをした。
…なーんか最近この作業のペースが上がってるような気がする。
前まで三ヶ月とか半年に一回ぐらいのペースだったのになぁ。
まあ少なくて困る事はあっても多くて困る事は無いけどさ。
事後処理という名のんんっ!をシてもらいスッキリした所で電話してきた用件を聞くことに。
「電話で聞いた女の子とやらの境遇は聞いた?」
「はい、どうやら住んでた村が何者かに襲われたそうです」
「襲われた…ね」
内戦or紛争的な感じかね…とりあえず可哀想な話ではあるな。
「調べた所によると、村一つ焼き払われて壊滅してますね…山賊や盗賊の仕業と疑われているらしいですが…」
「そりゃ徹底してる事で、村一つ焼き払うってのは絶対に何かしらの裏がないとやらないだろうよ」
何らかの秘密を隠してたか、秘密を知られたか、何かの引き金にしようとしてのか。
「生き残りは彼女を含めて5名で、内二名は瀕死の重体で入院してますね」
「なるほどなるほど…ってこたぁ親戚に預けられたとかそういう系?」
「はい、今はミーシャちゃんと同じ学校に通っています」
ふむ…強くなりたい理由は親が目の前で殺されたから、とかだとしても…なぜコイツらに頼みに来たんだ?
「そういえば…気になる話を耳にしましたね…」
俺が疑問に思っているとメイドが首を傾げながら呟いた。
「気になる事?」
「結社、山賊、破壊者、黒騎士、操者という単語を聞いたとか…」
「!!?マジで!?」
いやいやいやいや!なにその偶然!
…山賊や黒騎士ってのは置いといて、その単語から連想されるのは今俺がやってる仕事の方と被るんだが!
「聞いた時は特に何も思いませんでしたが、先ほどのアレで少し引っかかったものですから…」
メイド長?は他にも何かないかと思い出す素振りをする。
「……おいおい、今微妙に閃いちまったぞ」
その女の子がコッチに来たのってもしかして調停者の引き金じゃね?
俺に伏線的な情報を与えるためなのか、次にソコ行けよって指示なのかは分からんけど。
それならあの女の子が俺の子供と同じ学校に行った事も、真ん中の子供とその女の子に何かしらのイベントが起きてメイド達に鍛えてくれ!と頼みに来た理由も説明がつく。
ったく…俺が気づくのも分かってたんだろうなぁ。
「はぁ…調停者ぱねぇな…」
「調停者、ですか…?……ああ、なるほど!」
ため息を吐いて呟くとメイドが不思議そうに聞いて何かを察したように納得した。
「やっぱアレにゃ一生かかっても敵う気がしねぇ…相手取る気はこれっぽっちもないけどさ」
まさか表立って指示するだけじゃなくて裏からも糸を引いてるとは…
「でも気づかれたのも凄いのでは?」
俺を気遣ってなのかメイド長?がフォローしてくれる。
「気づくようにワザと仕掛けたんだろうよ、流石にこのタイミングじゃなきゃ気づかずスルーしてたと思うし」
「…確かにそうですね、今回のアレが無ければ私共も気づきませんでした」
「つー事はアレか?とりあえずあの女の子を鍛えろって事か?」
今鍛えておけば後半何かしらのイベントの手助けになって楽に進むだろう…って感じ?
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