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…あの魔獣のキメラ、ただの雑魚かと思いきや中々タフだったっていう。



しかもあの上半身から繰り出される攻撃が地味に強力だったりして…



少年と女の子は予想外に苦戦を強いられていたもののなんとか倒せてたよ。



俺はいつも通りの後方支援。



あのアホみたいな隙があった割に戦いは楽に…とは行かなかった悲しさ。



少年と女の子がいくら攻撃を当てても平気で立ち上がるし、あっちの攻撃はたった一撃でも少年達には強力過ぎるし…



今回は見てて多少は面白かったと思う。



そんで、魔獣を倒して休憩してるとショコラが帰還。



不満そうな顔をしてた所を見ると途中で逃げられたんだろうな。



…実験って言ってたからにはおそらく他の新種の魔獣もキメラである可能性が高い。



が、まだ組織のメンバーが関わってくる可能性もなきにしもあらず。



もしかしたら操者のやろうが人造魔獣を持って来てるかもしれん。



俺としては悪魔と組織のメンバーが勝手に潰し合ってくれれば大助かりなんだけど。



…でも組織のバックに悪魔が関わってる可能性ってのも否定出来ないんだよねぇ。



そこらへんは一応警戒しておくに越した事はないとして…



とりあえずショコラ合流してから更に先へと進む。



「…うーん…あの男が異変の原因なら調べる意味、無いような…」



ショコラは霧が地味に濃くなってきた周りを見渡しつつボソッと呟く。



「…まだそうと決まったワケではあるまい」



歩くスピードが落ちて来たので呟きを否定するように返した。



「…確かにそうだけど…」



奥まで行って何もありませんでした、じゃ時間の無駄じゃない?と聞いてくる。



「…何も無い、と言うのは展開的にありえないだろう」


「?どういう事?」


「実は…」



俺はショコラに今までの不思議現象に秘密結社が関わっている事を話した。



「へー…そんな事もあるんだ…どんな組織なの?」


「…さあな、ソレが分かれば多少の情報は得られそうだが…」



一応まだ俺が相手は秘密結社だと知らない振りをしないといけない段階なので、適当にはぐらかす。



……良く考えれば今ショコラに操者の話をしたら何かしら分かんじゃね?



でもなぁ…なんでそんな事知ってるの?って聞かれたら誤魔化すのは何も答えられないし。



少年達に怪しまれるだけだから無理、か…



せっかくのチャンスだったのにキャラを変える事によって逃すとは…!



こんなパターンもあるんだな、覚えとこう。



「って事は先に進めばその何かしらの人達に会えたりするの?」


「…可能性は高い」


「でも…あの人達って何を目的にこんな事をしてるんだろう?」



少年が急に会話に割り込んで来たと思えば意味不明な質問をする。



「…会ったら、聞いてみる?」


「…目的か…確かに気になるな…」



秘密結社の目的は古代兵器だよ、なんて言えないのでキャラに合わせて顎に手を当てて考えた。



「…?何かいる」



俺の直勘が反応すると同時にショコラが呟いて止まる。

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