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迷子猫や紛失した鍵の捜索に肥料の調達とかいう…



いかにも便利屋がやりそうなつまらん依頼を手伝った翌日。



あ、昨日の夜に受付のお姉さんと一応食事に行ったんだけど…



びっくりな事に、受付嬢のお母さんが調停の使者だったっていう。



なんか占い師?に俺が来る事を暗に示されてた…的なでっち上げを受付のお姉さんに伝えてたらしい。



その人の機転の効いた行動のおかげで楽に怪しまれる事なく、しかも早い段階で少年の仲間的な位置になれたのは大きいぞ。



…まあ調停者の根回しのおかげだろうが。



なにが『方法は任せた』だよ…



俺の行動を読んでちゃんとあらかじめ手を打ってんじゃねえか。



ありがたいではあるがソレを先に伝えてくれてても良くね?



要らんサプライズ的な感じで俺をびっくりさせようとしてたの?



…くっ…軽くびっくりしただけになんかイラっとする。



それはさて置き…



今は少年と二人っきりで魔物が出る街道で依頼をこなしてる最中だ。



あの青年は別の依頼が入ったためそっちを優先しないといけない…との事。



俺がギルドに行った時には既に居なかったっていうね。



「無いな~…そっちは?」


「…まだ見つからん」



依頼の内容は『落としたバッグの捜索』。



なんでも魔物から逃げてる時に落としたんだと。



…なぜ魔物が出にくい場所を歩かなかったのか疑問だが…



おそらくその方が近道だったんだろう。



…にしても…なんで俺がこんな面倒な事をせにゃあかんねん。



「あった!」



ため息を吐いて探してると少年が声を上げる。



「見つかったのか?」


「ああ…だけど…アレ…」



ダルそうに少年の所に歩いて行くと何かを指差す。



指差した先にはテンプレとも言うべきか…バッグの近くに数匹の魔物が居た。



「…やるしかないな」



…あんなん俺がやれば一撃でパッと倒せるが少年を成長させないといけないからなぁ。



「よし、行くぞ!」



魔物に突っ込んで行く少年に続くようにしてのんびりと歩いて行く。



「「「!カっ…!?」」」



先ずは少年に気付いた魔物達に先制攻撃っつー事で弱い雷魔術を発動させ動きを止める。



後は少年が危なくならない限りは倒すまで待機。



俺が無詠唱で魔術を発動させるまでにかかる時間はおよそ0.3秒。



心の中でイメージした瞬間発動できたり…



詠唱破棄の時は少し遅い0.5秒だけど。



…だからただ見てるだけでも少年が危ないと思ったら直ぐに加勢できるんだよね。



一応危なくなったら、ってのもヤられるっ!時だけで…



普通に怪我するレベルの攻撃を受ける時とかは、手出ししないでスルーしてるよ?



だって多少は危ない状況でも切り抜けてもらわないと…ねぇ?



ゲームみたいに



強いパーティメンバーが倒す→参加したメンバーに経験値GET!→レベルアップ!ステータスやスキルのレベルも上がる!



的な感じで強くなれば楽だけど、現実はそんな甘くないワケじゃないじゃん?



そんな世の中だったら俺も落ちぶれるなんてあり得なかったんだろうなぁ…



だって養成学校時代でも材料集めの時に何回も危ない目にあってたし?



強い人達にコバンザメよろしく寄生してたからさ。



ゲームの世界みたいな感じだったら俺、かなり強くなってたって。

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