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貧民街を視察する皇女殿下の護衛から4日後。



「今ヒマ?」



いつもの公園…では無く、第7研究所のいつもの研究室で軽い運動をしてるとリザリーがやって来た。



なぜいつもの公園じゃないかと言うと…雨が降ってるから。



「まあヒマ」


「そう…あ、そう言えばあの准将があんたに会いたがってたわよ」


「何故?」


「貧民街の風俗化計画がどうのこうの言ってたけど…」



なんか…国のお偉いさん方は貧民街の問題をどうにかする解決策の糸口が見つかった!とてんやわんやらしい。



あの子供達の意見はガン無視する方向で計画がどんどん進んでるんだと。



でも!結局あの集落を風俗化したら働くのはソコに住んでる女の子達になるわけで…



現状上のお偉いさん達はその問題点をどうにかしようとしてる最中なんだってさ。



「それぐらい自分たちでなんとかしろよ…あいつら俺を便利屋かなんかと思ってんのか?」


「にしても…その方法を思いついたマキナと程人も凄いけど、あの准将もやるわね」



リザリーが珍しく俺ら以外の人を手放しで褒める。



「なんで?」


「…あの皇女殿下とあんたを貧民街に行かせたのは何かしらの解決策を考え付くだろうって魂胆だったのよ」


「実際はマキナが居ないと思いつかなかったけど」



善意で行動が出来て優しく綺麗な考えの皇女殿下

裏にどっぷり浸っていて汚い事も平気で出来る俺



そして裏(偽名)でも表(偽名)でも有名なマキナ。



全く両極端な二人+真ん中の一人であの現状を見て、ソレを変えるどんな案を考え付くか、ってのが元上司の考えだったってワケか。



そりゃ黒と白と灰色じゃ見方が異なるから色々な案も出るわ。



お忍びで視察に行かせるだけでも近隣諸国や同盟国からのイメージアップに繋がるし。



あわよくば解決策を考えてくれれば一石二鳥。



はっ、流石は超特殊部隊司令官兼ユニオン軍准将だよ…頭がキレッキレだな。



「俺はさぁ…別に利用されるのは嫌いじゃないぜ?この俺を操って利用出来るんなら手の平で踊ろうとも構わない…が」



俺を利用して良いのは家族や友達、容姿レベルの高い女の子達だけだ。



「いくら元上司で昔に恩があったとはいえソレはもう返したハズだ、充分過ぎるほどな」


「分かった、ソレを伝えて置くわ」


「頼んだぜ」


「で、今回の報酬の件なんだけど…」



リザリーはちょっと遠慮がちに俺をチラチラ見てきた。



「ああ、ソレなら昨日マキナに貸し3であげた」


「くっ…!一足遅かった…!」


「今回は仕方ないんじゃね?あいつも一緒に居たんだし」


「マキナの報酬は90億って聞いたけど…あんたの報酬なら150億は堅いわ」



マキナの報酬の約1.6倍!?なんでやねん!



仕事内容は全く一緒だったじゃねえか…なんでそんな差が出るんだ?



「なんでそんな高額なんだか…税金とか余ってんなら税率下げろよ」


「解決策を持ち帰ったからじゃないの?マキナは最初の10倍に増えたって喜んでたわよ」



10倍ねぇ…って事は最初は9億とか15億だったっつー事か。



なんか庶民からしたらそれだけで次元が違う話なのに90とか150とか聞いたら安く思える不思議。



「俺らの株価上がりまくりだな」


「そりゃね…福祉、医療、軍事のレベルを上げてる幅広い研究から戦争を回避したり…敵軍の戦力を大幅に削ったり」



私達の裏表合わせた功績を挙げたらキリが無いじゃない、と指折り数えながら笑う。



「裏表って言っても俺は裏の出来事にしか関わってないぞ?」


「ソコが一番大事な所でしょ、人が集まれば…何かしらの行動を起こせば必ず裏で問題が起きる」


「まるで揉め事処理の便利屋的扱いだな…」



面倒な問題を解決してくれるんならありがたいし重宝する。



株価もうなぎのぼりで報酬が高いのもまあ納得だ。

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