28
結局、途中であの少年がバテてショコラが重力無効的な効果のある指輪を渡し最深部に。
(念のため持って来てたらしい)
そんなんあるんなら最初から渡しとけよ!とツッコむも、一応修行的なアレだったからさ~…と言わんばかりの笑顔でスルー。
俺らだけなら10分で終わる材料採取もあの少年のせいで14時間近くもかかったっていう。
魔物から逃げたり少年が逸れたり少年が落とし穴?に落ちて迷子になったり…
ホント足手まといにしかならない足枷だったわ~。
流石のショコラも少年が逸れた辺りからイライラし始めてた。
ずっとピリピリした雰囲気で愚痴るし、あの少年もうココに置いてかない?とか言うし…
全く…最初っから連れて来なけりゃ良かったって話だろうに。
…あの少年が可哀想な感じになってると思うけど、原因は全部ハルトだからね?
アイツが意味不明に同行を頼まなければこんな事にならなかったんだよ!
「疲れた~」
「全くだ」
身体に軽い疲労感+倦怠感がのしかかる中研究所の中に入る。
…なんとロビーでハルトが受付嬢と楽しそうに話しているではないか。
「お、おかえ…ぶへっ!?」
俺らに気づき無駄に爽やかな笑顔で挨拶した所で…
ダッシュからの右ストレートを顔面に食らわせた。
ハルトは全然警戒してなかったらしく俺の拳をモロに食らって吹っ飛ぶ。
「ショコラ、お前もやっちまえ」
「え、いいの?じゃあお言葉に甘えてっ!」
「な、なに…がふぁ!?」
左頬に手を当て立ち上がろうとしたハルトの脇腹にショコラの左下段回し蹴りがクリーンヒット!
またしても吹っ飛び壁に激突する。
「あースッキリした」
受付嬢とあの少年が唖然とする中、ショコラは晴れやかな笑顔で背筋を伸ばした。
「あ、あの…なにを…?」
「ん?俺は鉄拳制裁」
「私はなんか色々とムカついたから」
…俺はともかくショコラには理不尽な暴力を受けて床に転がるハルト。
まあ可哀想ではあるがしゃーねぇべ?
自分の弟子を育てるのを人に任せたらいかんっつー事だろ。
「あ、気にしないで」
ショコラは受付嬢に笑顔でそう言ってピクピクしてるハルトを引き摺って研究室に向かう。
「あ、本当に気にしないでいいから…あの少年お願い」
未だに困惑してる受付嬢に少年を任せバキバキ両手の骨を鳴らしながら俺も研究室に向かった。
次はエリアだな…
「お、帰って来たの…がっ!?」
研究室に入って来た俺らに気付いて振り向いた所でダッシュからの右ストレート。
ハルトのように綺麗には決まらなかったがそれでもパシン!と大きな音が響いてエリアは床に倒れる。
うーむ…顔が女だから本能的に手加減してしまったか。
右ストレートいいがち、いつの間にかグーからパーに変わってたからただのビンタになってしまった。
「いってぇ!帰って来て早々何すんだよ!」
引っ叩かれて少し赤くなってる左頬を抑えて俺を睨む。
「お前ら…俺が封印してた魔鉱石を探したんだってな」
怒りながら近づいて来たエリアがピタッと止まる。
「な、ななな何の事かな~?」
明らかに動揺したようにどもり口笛を吹いて誤魔化そうとした。
「道中ショコラに聞いたんだよ、だからその一発でチャラにしてやる」
エリアに視線を向けられたショコラは軽く舌を出してゴメンね~…と謝っている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます