02

「はい、あの…」



女の子が話し始めると同時にICUのドアが開く。



「あの…どうでしたか?」


「ご家族の方ですか?一応一命は取り留めましたが依然として危ない状態です」



メイドの問いに医者は難しそうな顔をして答える。



その後に包帯やらチューブやらを付けられたライナが台に乗せられたまま運ばれて行く。



「…説明しますので、付いて来てもらえますか?」


「はい」



医者について行くメイドを追いかけるように歩き出すと女の子は病室の方に向かう。



「一体何があったのですか?あそこまで酷い大怪我を見るのは久しぶりですよ」



部屋に着くや否や医者はイスに座って聞くとため息を吐いた。



「私達もまだ事態が飲み込めてませんので…」


「そうですか…ところでご両親は何時頃到着する予定です?」


「あ、俺らがあいつの両親です」


「は?」



俺の言葉に医者はポカーンとする。



「正確には親代わりかな?とりあえず見た目よりは歳取ってるし」


「あ、ああ…そういう事でしたか…すみません、大分お若く見えるので」


「あら嬉しい」



メイドが頬に手を当てて笑うと医者は苦笑いしながら頭を掻く。



「ところで本題ですが…改めて怪我の程度が酷いです、全身の切り傷及び右腕、左脚切断による出血多量…」



傷の程度や治療期間がうんぬんが長い話しになったためカットで。



なんでも左手と左腕の骨にヒビで胸骨と肋骨が折れて肺を傷付けて1/3ほど切除らしい。



後は内臓器官も結構傷ついてたらしく、手術は4時間近くかかったとか。



一週間は絶対安静でリハビリやらなんやかんやで全治二年半だと。



正直あの怪我で生きていただけでも奇跡です。と言われた。



「ん~…今から退院手続きとか出来る?」


「人の話を聞いてました?一週間は絶対安静です」


「いや、知り合いのヒーラーを頼ろうかな…と」


「ヒーラーって治癒魔術を使える人ですよね?ソレなら…でも…」



俺は渋ってる医者を無視してメイドに退院手続きを取るようお願いして病室に向かう。



病室にはカプセルのようになってるベッド一つだけしか無く、その中で体中に生命維持装置が付けられたライナが寝ている。



「ったく…」


「え…!あの!」



ため息を吐きながらスイッチを押しカプセル的なのを開けてライナの体に付いてる余計なのを全部外す。



「起きろバカ野郎」



軽く顔を数回叩くも全く目を開ける様子が無い。



「あ、あの…生命維持装置を外したら死んじゃうんじゃ…」


「少しの間なら大丈夫じゃね?ほら、行くぞ」


「え?」



ライナを肩に担ぎ女の子の手を取ってロビーで待ってるであろうメイドの所に向かった。




























































所変わって別荘へ。



軽く説明すると肩に担がれてるライナを見てナースやら医者やらが慌ててる中病院を出た。



そして街外れに停めてあったプロペラ式小型飛行機に乗り別荘へ。



わざわざ外で出迎えてくれたメイド達にライナを預ける。←今ココ。



「俺は飛行機を格納庫に入れておくからこの女の子を応接間に通しておいて」


「かしこまりました、ではこちらへ」


「え?あ、はい…」



後部座席に座ってた女の子はメイドに促されながら飛行機を降りて別荘に入って行く。



あ、この飛行機を運転してたのはあのメイドだよ?俺は外で魔物に襲われないように警戒してたし。



まあ距離が短かったからか襲われなかったけど。



「飛行機に乗るのも久しぶりダナー」



俺は別荘の近くにある格納庫に飛行機を格納してから別荘に向かった。



あっと、一応説明するとこの格納庫は修練場と反対の場所に位置してて…



中には車とか小型飛行機といった物がある。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る