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「友達、的な奴ら…?」


「俺は友達だと思っていたとしてもあっちはどう思ってるのか分からないだろ?だから的な奴らでいいのさ」



実はハブられてるかも知れない…という疑念が浮かぶ前までは友達って言えたのになぁ。



やっぱりお互いに友達と思ってない限りは真に友達とは言えんだろ。



あっちからしたら俺の事はただの都合の良い奴ってしか思ってないっつー場合もあるワケで…



……友達ってなんなんだろう。



仲間は目的を共にするグループメンバー的な感じだけど、友達は?



仲が良いって言ってももしかしたら上手く利用するために上辺だけ繕ってる可能性とかあるわけだし…



あー!もう分からん!!もう考えるの止め!



「村さんはその人達を信用してるの?」


「全然?多少信頼はしてるけど、信用とはちょっと違う」


「あ、一応信頼はしてるんだ…」


「人間は誰しも何かしら間違える生き物なんだから例え家族でも信用したら駄目だろ」



実際問題…何が正しくて何が間違ってる、ってのは自分への損得で決まるんだが。



「村さんの発言には何か得体のしれない重みが感じられるんだけど…」


「そうか?…まあどうでもいいや、じゃあ俺は帰るからコレ」



俺はお姉さんに紙の切れ端を差し出す。



「?番号?」


「俺のケータイの番号、今日は君のおかげでかなり助かったからなんかヘルプが欲しい時に連絡して」


「私は恩を返しただけだから…ソレに村さんに与えて貰った恩に比べたら全然返し切れて無いと思ってるし…」


「恩を恩で返して更にその恩に恩で返す…ソレは良い傾向じゃないか?善のスパイラルっていうか助け合いって感じで」


「…っ…!…ありがとう」



お姉さんは少し目を見開いて驚いた後に優しい笑顔でお礼を言う。



「いやいやそりゃ俺のセリフだよ…おっと、あのシチューとかは大量に作ってあるから部下共に食わせてやってな」


「うん、何から何まで…本当にありがとう」


「だから俺のセリフだって…」



ため息を吐きながら頭を下げたお姉さんの頭を撫でて部屋を出る。



そして城の中で比較的人気のなさそうなトイレを探し、ポーチからナ…(以下略)ユニオンのいつもの公園のトイレに影移動した。



「ふあ~あ…今日も一日長かったなぁ」



あくびして独り言を呟きながらいつものベンチに向かう。



んあ?…なんてこったベンチに先客が居やがる。



俺はある程度ベンチに近づいた所で座ってる人影に気付いて止まった。




もう時刻も景色も夜だってのに…喧嘩でもして家を飛び出したのか?



つーか、この公園は結構広いんだから別のベンチに座れや!



ソコは俺のお気に入りの場所なんだよ!と思いつつも何も言えずに踵を返した。



だって公園は一応公共の場じゃん?



誰が何処に座ろうと寝ようと自由なんだから何も言えねぇよ。



「君が…村人B君かね?」



その場から離れるために一歩踏み出すと後ろから話しかけられる。



先客をよく見てなかったから歳は分からなかったが…声を聞く限りでは低いのに良く通るいい声をしていた。



声優的に言えば立木、藤原、大塚とかそっち系?



ん~、この声…どっかで聞いた事あるような…気のせいか?



「ヒトチガイデース」



こういう状況の大半は面倒事になるフラグが立ってるっぽいから異国の発音のように片言で誤魔化す。



「そうか…ではそういう名前の人を知らないか?かれこれ3時間もこうして座って待ってるんだ」


「オー、キキオボエガナイデース」



声を聞く感じおそらく20代後半から30代中盤ぐらいだろう男の質問に俺はシラを切るように返して歩き出した。



面倒事の間隔が短過ぎんだよ…せめて三日ぐらい間空けようぜ。



「そうか…では言い直そうか?テイト大佐」



男は歩き出した俺を引き止めるかのようにさっきよりも声を大きくして言う。



何言ってんだコイツ?大佐?軍人でも無い俺が?名前しか合ってねぇよ。



…バカバカし、付き合ってらんねぇぜ。



俺は歩く速度を落とす事なく意味不明な男の発言をシカトする。



そのまま公園を出るも男が追って来る事は無く、途中のスーパーでジュースを買って研究所に向かった。

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