07

「とりあえず昼飯になにを作るか…」



今から昼飯の心配をしてキッチンに向かう。



「なにがあるかな?なにがあるかな?タラララッタンタララ…おっ」



某13時から始まるサイコロを転がす番組のように口ずさむ。



鶏肉発見、玉ねぎと卵もある……なぜ三葉まで?



まあいいや、とりあえず昼飯は親子丼だな。



母娘丼じゃないよ?



俺はまな板の上に三回折ったアルミホイルを敷いて鶏肉を置く。



包丁で鶏肉に網目状の切れ目を入れた後に一口大に切って、器に入れアルミホイルを水で流してゴミ箱にぽい。



まな板は汚れてナーイ!なので洗う手間が省けた。



一口大に切られた鶏肉が入ってる器に少量の日本酒、醤油、みりん『風』調味料、砂糖、おろし生姜とほんの少しのおろしニンニクを入れて混ぜる。



なぜみりん『風』なのかと言うと…



みりんにはアルコールがうんたらかんたら~で18歳未満は法律的に買えないようになってるんだよね。



酒税法とかめんどうなのもあるし…だからみりん風調味料ってワケ。



…さておき、その器にラップをするんだが…



器の上じゃなくて鶏肉の上にぴっちりとラップを張る。



隙間を出さないようにぴっちりと。



そして冷蔵庫に入れて下準備は終わり。



後は昼になるまで待つのみ。



「む~…?」



リビングに行くと愛梨がソファに座って変な動きをしていた。



「なにしてんだ?」


「あ、今テレビで肩こり解消法っていうのがやってたから」


「肩こり?その歳で?」


「違うよ、将来なった時のために」



ふーん…とソファの背凭れに肘を乗せてテレビを見る。



…なんだこりゃ、明らかに要領の悪い方法を紹介してやがるぜ。



医学的に正しい?なワケあるか、ツボを刺激して筋肉を解さないと意味ねぇだろ。



俺はテレビに飽きたため愛梨の両肩に手を置いて揉み解しマッサージをしてあげた。



「いいか、愛梨…肩こりっつーのは誰かにマッサージしてもらうか器具を使わないと治らないんだよ」



今テレビで紹介してるのはせいぜい予防法的な感じだろ。



「え?ふあ」


「ココとココのツボを刺激しながら、こうやって筋肉を揉みほぐしてだな…」


「ふにゃあ…気持ち良い」



わざわざ説明しながらやってあげてるのに全く聞いてなかった。



「…まあいいか」



そのまま両肩から右腕に移動して左腕に移動する。



「…気持ち良すぎて眠くなってきた…」


「昼飯出来たら起こしてやるから寝てろ」


「うん…お休み」



タンスからタオルケットを出して愛梨にかけた。



「ん~、昼飯までまだ時間があるし…斧と剣の手入れでもしとくか」



俺はキッチンの床に新聞紙を敷いて小箱から手入れ道具一式を取り出す。




















「ただいまー」



ガチャ…とドアの開く音を聞いて時計を見ると時刻はすでに13時前。



…さて、と…片付けて昼飯でも作るか。



「あれ?愛梨寝てるの?」


「おー、お帰りー…昼飯食うか?」


「食べる」



しゃがんで愛梨の寝顔をつついてる藍架に聞くと、俺の方を見ないで返事する。



んじゃ三人分だなー…っと。



俺は冷蔵庫から玉ねぎを取り出して水で洗い皮を剥いてスライスした。



…良く考えたら親子丼用の小さいフライパン的なのが無いな…三回も作らないといけない系?

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