04

「ふー…さて湯船にでも入ろうか」



俺は何事も無かったかのように髪を掻き上げて湯船に浸かる。



少し遅れて愛梨も湯船に入って来た。



「お兄ちゃんのアレ…先端から液体が全然出ないんだね//」



せっかくその雰囲気流したのにまだ引っ張るんかい。



確かに愛梨は思春期真っ只中の歳頃だけども。



「あ~…多分、なんで?」


「前に見せられた人のはダラダラーって凄い量出てたから、アレが普通なのかな~?って」



ん~…どれが普通か分からんが、取り敢えず俺は普通じゃないし。



「…目の前で見せられたって事はかけられたのか?」


「ううん、出そう!って言うから…そのスキに走って逃げた」


「ナイス判断、ソコは男の急所なんだから…いざという時は思いっきり殴るか蹴れよ?しばらく身動き取れないと思うから」


「そうなの?分かった、次からやってみる」



両手でガッツポーズする愛梨を見て俺は反射的にアソコを押さえてしまった。



「は~…サッパリした」



俺は10分ぐらい浸かった後に風呂から出て身体や頭を拭いてタオルを腰に巻く。



そしてリビングに行きドライヤー片手に愛梨をソファに手招きする。



「お願いしまーす」



おお…サラサラになってる!



…俺と同じシャンプーやリンスを使ってたハズなのに、なぜこんなに良い匂いがするんだろうか?



女の子特有の良い匂いが混じってるのかねぇ。



「じゃ、お休み」


「おう」



髪を乾かした後に愛梨が二階に行くのを見て脱衣所に向かう。



そこに置いてあったポーチの中から折りたたみナイフを取り出して指を切って血を舐めた。



いつも通り影移動で魔王城の自室で着替えて実家に戻る。



さて…と、無名と斧の手入れでもするか。



俺は新聞紙を広げて小箱から砥石やらなんやらを取り出して手入れを開始した。



「お兄ちゃん…」



無名などの手入れを始めて2時間後。



もうすぐで深夜3時、という時間に愛梨が下りてきた。



パジャマ姿で手には抱きマクラ?的なのを持っている。



「どした?」


「お姉ちゃんやお兄ちゃんがいなくなる夢を視たの…今日だけでいいから一緒に寝てもいい?」



…ものすっごく可愛いんだけど!なにこのフラグ?



裏になにかあったとしても超嬉しいんだけど!こんな美味しいチャンスを断るワケがない!



「いいぞ、片付けたら行くから先に部屋に戻ってろ」


「うん…」



俺は速攻で片付けを済ませて愛梨の部屋にこれでもか!とダッシュで向かう。



「入るぞー」



ドアをノックして開けるとベットの上に座って眠そうにしてるなんとも無防備な愛梨の姿が。



…コレは誘われてるのか?男としてのイベントか!?



それともただの兄妹としての信用だけのイベントか!?



考えろ!ココで選択肢を外すと次は無いかもしれん!



慎重にいかねば…!



「愛梨の部屋に入るのも久しぶりだなー」



内心ドキドキしながらも外面には出さず適当に見渡しつつベッドに腰掛けた。



「お兄ちゃん、ありがとう…いつもはお姉ちゃんにお願いしてたんだけど…」


「気にすんな」



…そうか、だから藍架はシスター・百合・コンプレックス予備軍になったのか。



こんな無防備で可愛らしい姿を見て目覚めない奴はこの世の中に存在しないだろ。



「お姉ちゃん、ちゃんと帰って来るよね…?お兄ちゃんみたいに急に居なくなったりしないよね…?」



昔の事を思い出したのか、思い出せたのか…



愛梨はちょっと震えた声で俺に聞く。



「藍架なら大丈夫だろ、あいつは思ってる以上に強い」



俺は後ろから愛梨を抱きしめて安心させるように言う。



数珠がある限りは、だけども。



まあもし死んだとしても髪の毛はストックしてあるから生き返らせる事は可能だけどな。



もしかしたら俺みたいに死んでも妖怪になって生き返るかもしれん。



右手で愛梨の頭を撫でてると寝息が聞こえてきた。



俺も愛梨を抱き枕代わりにして眠りにつく。


























































  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る