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いくら飲んでも酔わない。
それが分かった以上俺たちが酒を飲む理由は無くなったわけだ。
まだ酒を飲むよりジュースや紅茶、コーヒーを飲んでる方が美味いし安上がりだ。
「ほい、これ」
「…?あ、缶ジュースか」
「久方振りの再会を祝して乾杯といこうじゃないの」
「うーん、そういやリザリー達とはしてないなー」
あいつらとの再会は、拉致られたあげくに真っ白い部屋でだったし。
しかもリザリーはキャラを変えてたって言う。
あ、もしかして…マキナみたいに俺が死んだ影響で、変わってたのか?
「なあショコラ、聞きたい事があるんだけど」
「その前に」
ウインクしながら缶ジュースを上げた。
「「乾杯」」
プシュっとプルタブを開けてショコラの缶ジュースと軽くぶつける。
「んくっ……ん」
「ん?……んん!!?」
あろう事かショコラは一口飲んだかと思えば、ジュースを口に含み俺の口にくっつけてきた。
いわゆる口移しと言うやつだ。
ショコラの完全に虚を突いた行動に俺は反応しきれずに硬直。
とりあえず流し込まれてるジュースは全部飲んでいる。
「……ぷはぁ」
「…な、な…!」
言いたい事はあるのに言葉が出てこねぇ!
「マキナやリザリーだけじゃ不公平だからね、……嫌だった?」
「んなこたぁ無い、が…いくらなんでも唐突過ぎるだろ」
ショコラの不安そうな潤んだ目を見てなんとか冷静さを取り戻せた。
全く…会って直ぐってどんだけだよ、ビッチやヤリ目の女もビックリやわ。
つーか、なんでこいつらの中での俺への好感度がこんな無駄に高くなってんの?
確かに昔(養成学校時代)もやってはいたけどさ。
それにしても本当に唐突過ぎるだろ。
心の準備もへったくれもない。
「そうでもしないとガードされちゃうもん」
「…否定はできん」
あの某国の王女のキスをガードしたように、くると分かってたら避けるかも…
「で?聞きたい事って?」
「あ、ああ、リザリーの性格って前からあんなだった?」
「昔から変わらないと思うよ?って言うかていとも良く知ってるじゃん」
「そりゃ、そうなんだけども…」
なんて言うかなー…俺と再会した時はなんかキャラがおかしかったって言うか…
「あ」
俺がどう伝えようか迷ってると思い出したように声を上げた。
「そういえば、ていとが死んでからはちょっとキツめになったって言うか…私達の前では全然変わらなかったけど、ちょっとは変わってたかも」
「やっぱりか」
だから貴様とか言ってたわけね。
いつもなら名前かあんたってしか呼ばないのに。
変な敬語とかも使ってたりさ…今思えば結構違和感があったよなー。
だから気づくのに遅れたんだけど。
「思い出した!ていとってばリザリーやマキナとでぇとしたんだってね!」
「デート?ああ、アレか」
執拗に迫って来る研究者達を誤解させるためにしたアレだろ?…デートなのか?
つーかリザリーには彼氏がいたんだから俺必要無かったんじゃね?
「マキナもつい最近新しい彼氏が出来たみたいだし…」
「マジ?」
「え?知らなかったの?」
「全っ然」
あいつも結構男を取っ替え引っ替えだよな。
…ってかだったらマジで研究者達を欺くためのデートとかしなくてもよかっただろ!
俺、マジでなんのために協力したと思ってんだよ!
「私もつい最近別れたんだよねぇ」
「お前も取っ替え引っ替えかい」
「だってぇー…エリアやハルトと居るとうるさいし、ていとの話をすると不機嫌になるしぃ」
「正直うっとおしいってか?」
確かに、俺ももし彼女が出来たと仮定して…
リザリーやマキナ、ショコラの事で色々言われたら確実にうっとおしいと思う。
もはやリザリー、マキナ、ショコラ、エルー、サマハルトは家族みたいなもんだし。
…え?エリア?うーん…あいつは…まだ……微妙……かな?
多分、サマハルトを除いたエルー達4人とは家族と同じぐらいの時間を一緒に過ごしてる。
エルーとは入学して直ぐに仲良くなったし、リザリーとマキナは猛アタックの結果…同時期の入学して半年ぐらいでなんとか仲良くなった。
ショコラはマキナと同じぐらいから仲良く?してた…のかな。
一応喋ってはいた。
「それでね…聞いてる?」
「もちのろん、彼氏と喧嘩になったんだろ?」
「そう!ちゃんと付き合う前に条件として言ってたのに、なんで今更?ってコッチだって怒るじゃん?」
「そだな、ちゃんと条件を受け入れたんならゴタゴタ言うなって話だよな」
いつの間にか愚痴にシフトしてるショコラの話に適当に相槌を打ちながらも一応聞いてあげる。
そしてショコラの愚痴を聞くこと2時間後。
「あースッキリした!」
「そりゃ良かった」
俺は肉体的、精神的に疲労が少し溜まったけどな。
ずっと人の膝…太ももの上で暴れやがって。
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