13
「起きて下さい、お客様がいらしてます」
「んん…?あとちょっと…」
「ふふっ、別の所を起こしますよ?」
「!どこ触ってんだよ…」
メイドに下半身を撫で回すように触られたため、すぐ起きる。
「んにゅ…?あさぁ…?」
「…ん…あさじゃない」
「んー……おはよー」
どうやら下の子達もまだ寝てたらしく、俺が上半身を起こしたら一緒に起きた。
「国王が謝罪にいらしてます」
「ふあぁ~…すぐ行く」
一週間以内って言ったのに…なんでこんな早く来るかね。
おかげで全然寝れなかったじゃねえか。
「ほら、行くぞ」
「うん…ふあ~…」
「…くぁ~…むにゅ」
「うーん…んん…」
下の子達をベッドから下ろしてリビングに向かう。
「本当に申し訳なかった」
「…チッ」
「お前も頭を下げろ!」
リビングに着くと現国王がクソ餓鬼と一緒に真ん中の子の前で床に膝を着いて頭を下げていた。
…クソ餓鬼は国王に頭を掴まれて無理やり下げさせられている。
「えっと、あの、その…」
真ん中の子は土下座する国王を見て困惑してた。
「くあ~…ぁ…どうする?許すか?」
「あ、おとーさん!これどういう状況なの?」
「ん?ああ、昨日官邸に忍び込んで国王に直訴した」
一応昨日…今日の朝?の出来事を俺は子供達みんなに話す。
「父さん…それ、もう後始末ってレベルじゃないよ…」
「国王を縛りあげるってもはや謀叛だよ」
話しを聞き終わった後、ライナとキリが呆れたようにため息を吐いた。
失礼な、まだ殺してないんだから謀叛じゃないだろ。
確かに間違いなく反逆罪で捕まるとは思うけども。
「いや、今回の件は全面的に私の息子が悪い…ひいては全て私の責任だ」
「俺は悪くな…痛っ!」
「このバカ息子が!反省しろ!」
クソ餓鬼を見てると、なんでこんな奴の親が国のトップなんだ?と思ってたが…
今の国王を見てると納得だ。
己の間違いをちゃんと認め、正すためにはプライドも捨てる。
俺らみたいな庶民とのイザコザなんて権力でもみ消そうと思えたハズなのに、だ。
まあもみ消そうとしたら殺してたけど。
にしても…国王とその息子がたかだか十何歳の庶民的な女の子に土下座してる図はシュールだな。
「どうするミィナ?許してあげる?」
「条件をつけたらどうだ?その方が相手も楽だぞ」
「…確かに、無条件で許されると裏を感じる」
「じゃあ…」
子供達のアドバイスを受けて真ん中の子が国王とクソ餓鬼に向かって口を開く。
「もう私の家族や友達に嫌がらせをしない事、それを約束するなら許します」
「…嫌がらせ…だと?」
国王は真ん中の子の言葉にギッとクソ餓鬼を睨む。
「…ち、違うよ!ちょっとしたイタズラだよ!」
「…お前に『国王の息子』という力は腐敗させるだけだったらしいな…」
「違うんだって!本当だよ、俺を信じて!」
よくもまあヌケヌケとそんな事が言えるな、このクソ餓鬼は。
「この国の王としてお前に命ずる、20歳になるまで一切の権力の使用を禁止だ!」
「そ、そんなー!!」
おおー…勘当しないのはせめてもの慈悲か?
これでマトモになればいいんだけど…
大抵はさらに歪む。
そして、悪へ染まって………よくある小説の展開へと移る。
とはいえ現実でそうなるかは分からないけども。
子供達はうな垂れたクソ餓鬼を見てざまあみろ、と言わんばかりに笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます