28
うわー…上半身と下半身の位置が大分離れたな。
アーメン、と心の中で思いつつ先へと進む。
「ふっ、やっぱり来たか…あいつでは足止めにもなるまい」
第二施設の廊下を真っ直ぐ進んでるとまたしても男が待ち構えている。
「どけ」
「邪魔」
「ぬう…!!」
男は俺の剣とマキナの拳を両手の手甲で止めた。
「甘いよ」
「ぐふっ…!」
「だから弱いんだって」
マキナの左ストレートを顔面に食らい、よろけた所で俺が首を撥ねる。
俺ら相手に2対1で敵うわけがないだろ。
トカゲが一匹で猫二匹に立ち向かってるようなもんだぜ?
どう考えても瞬殺だろ。
「お前ら速いな」
「お、やっと追いついたか」
「エルー遅い」
死体を通路の端に寄せてるとエルーが走ってきた。
結局三人合流して先に進む事に。
施設最奥の部屋を目指して走る事30分。
次々と出てくる敵を蹴散らしながらスピードを落とさずに進む。
おそらく倒した数は一人で100人斬りを達成!できるくらいだろう。
そんな向かう所敵なしの俺らの足が…ある部屋の前で止まった。
「いるな」
「そだな」
あの部屋の中から結構強そうな奴の気配がする。
俺の記憶力が確かなら、この部屋を抜けたらまた通路があるはずだ。
この施設は変な作りになっていて…この部屋、通路、部屋、通路、部屋、地下室。ってなってる。
つまり、この部屋を通らないとリザリーを助けにいけないっつーわけ。
「行くしかないよなー」
「程人、退いて」
マキナがドアを蹴り破ると同時に俺が先に部屋の中に突っ込む。
「よく来たな」
「出迎えありがとよ!」
速攻で俺が斬りかかるもスッと避けられた。
「マキナ、エルー先に行け」
「分かった」
「任せたよ」
俺は敵に次々と斬りかかり、マキナとエルーを先に進ませる。
さてさて…こりゃリザリーを助ける今回の主人公はエルーって所かな?
次の部屋では多分マキナが残ると思うし。
「お前ら、何が目的だ?」
「は?」
俺の攻撃を紙一重で全て避けている男が質問してきた。
あまりに急な質問に一瞬何を言われたか理解できずに、そのまま聞き返す。
「なぜココへ来た、何か目的があるんじゃないのか?」
「…ソレを聞いてどうする」
「何、単純な好奇心からくる疑問だ」
男は俺の相手をしてるにも関わず、余裕そうにしている。
「いいだろう、答えてやる…お前らを殺しに来たんだよ」
「…!」
遂に男は腰の剣を抜いて俺の剣を受け止めた。
「リザリーを攫えた事はビックリしたけど…そんな死にたかったの?」
「!リザリー・クレインの関係者か!?」
「お互いにそろそろ時間稼ぎは止めようぜ」
俺は男の剣を弾いて一旦無名を鞘に納める。
「七転抜…」
「させるか!」
俺が抜刀技を出そうとしたら男が素早く距離を詰めてきて無名の柄を手で押す。
「アホか」
「がっ!」
剣を鞘ごと横に振り男の顔面を殴る。
「うら!」
そのままの勢いで体を回転させ更に後ろ廻し蹴りを首に食らわせ、蹴り飛ばした。
なんでみんなさ、剣を持ってるから体術を使わないと思うんだろうな?
剣さえ抑えれば安心とか…愚の骨頂にも程があるわ。
ま、その考えを持ってるからこそ俺は楽に倒せるんだけど。
俺は吹っ飛んだ男を追いかけるように走る。
ははっ、今の俺の武器は多彩だぜ?
剣術、斧術、体術、切り札に魔札。
残念ながらソレを知ってるのはエルーとリザリーとマキナだけだけど。
「く…」
男は受け身を取って態勢を立て直す。
だが残念、お前の目の前には俺がいるんだなー。
「ぐあ!」
流石に態勢を立て直した直後の斬撃は避けれなかったらしい。
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