16

「まあ別に恥ずかしがる事でもないけどさ」


「え!?///ちょっ…///ホントに!?///」


「お前がやれって言ったんだろ」



俺がマキナの頬に口づけしようとしたら後退られた。



「こっ、心の準備が///」


「じゃあ言うなよ」



呆れながらも一応頬に口づけをする。



「あ~う~!///ホントにするとは思わなかったー!///」



マキナから離れると顔を真っ赤にしながら両手で顔を押さえた。



なにこの生物、チョー可愛いんですけどー…お持ち帰りOKですか?



………はっ!?危うく理性が吹っ飛ぶ所だったぜ!



「て、程人君///」


「危ねえ…って、あ」



いつの間にか俺はマキナをお姫様抱っこで持ち上げていた。



改めて思うと無意識での行動ってやべえな。



俺はマキナを地面に下ろしていつもの部屋に走る。



いつもの部屋に着いた俺は雑念を振り払うように、一心不乱に叫びながらあの剣を鍛えた。






「うおおおお!無心!無我!無欲!」







水晶鉱石と輝竜鉱石を窯に突っ込んで溶かし、それを混ぜて剣に垂らし後はひたすらにハンマーで叩く。





「色即是空!空即是色!森羅万象!天衣無縫!天真爛漫!」







「天真爛漫と天衣無縫は同じでしょ」



叩いた後に冷清水に漬けて冷ましてるとリザリーが呆れたようにツッコんだ。



「あれ?いつからいたんだ?」


「1時間前よ」


「へ?気づかなかった…」


「あんたこの三日間全く休まずにずっとその剣鍛えてるけど…何かあったの?」


「もうそんな経つのか…マキナに聞いたら分かるよ」



俺は冷清水から剣を取り出し窯に炎粉を入れて更に加熱する。



「ご飯ぐらい食べなさい…マキナとエルーが心配してたわよ」


「マジで?集中してたから気づかなかったわ~」



喋りながらもカーン!カーン!カーン!と液体を垂らしながら剣を叩く。



「トイレとかどうなってるの?」


「~~!!やべえ!漏れる!」



リザリーに指摘され作業を中断して俺はトイレにダッシュした。



言われるまでなんも無かったのに!言われた途端に急激な便意+尿意が!








「ふー…スッキリした…」


「言われるまで気づかない、ってどんなよ」


「だから雑念を振り払うべく集中してたんだって」


「風呂も入らないで…汗臭いわよ」



ちょうどいい機会だし、一旦中断して風呂でも入ろうかな?



つーわけで、冷清水に漬けるまでの工程を終わらせて風呂に入った。



「邪魔するわよ」


「邪魔するんなら来るな」


「久しぶりに一緒に入ろー!」



湯船に浸かってるとリザリーとマキナとエルーが次々と風呂場に入ってくる。



「4人での風呂も久しぶりだな…」


「そだなー…いつもは野郎だけで入ってるし」



ザバー…と三人共湯船に入ってきた。



風呂なんてハルトやエリア達といった男同士でしか入らんしな。



「背中流してあげましょうか?」


「みんなで洗おうか~」



全員で湯船から出て縦に並び桶に座った。



因みにみんな全裸なため…俺とエルーは視線をずっと上に向けてるか、お互いを見ている。



絶対にソッチ系じゃ無いよ?



リザリーとマキナの裸を見ないためにエルーを見てるだけだからね?



エルーも同じ理由で俺を見てるだけだからノーカンでしょ。



にしても…こいつら女なのに良くも堂々と裸を晒せるよな。



俺らは意識する男の内に入ってないってか?



…悲しいわ~…あれ?心なしか視界が滲んでるぞ?



マキナ→エルー→リザリー→俺、の順で座って背中をゴシゴシと洗い始める。

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