第六期
1
「ふあ~…疲れたぁ…」
俺は軽くストレッチをしていつものベンチに寝っころがって、そのまま眠りにつく。
「あの、すみません」
翌朝、太陽がまだ真上に登りきってない時間帯。
俺は誰かに声をかけられて起こされた。
「ん…?ふぁ…なんだ…?」
「お休みの所すみません、あの…この辺りにある第7研究所と言う建物を探してるんですけど…」
見た目はライナの少し上…17ぐらいの青少年、もとい少年が申し訳なさそうに聞いて来る。
「そこら辺の人に聞いても知らないそうなんですけど…ジョギングしてるおばさんが、そこのベンチで寝てる人ならこの辺の地理に詳しいんじゃない?と言われたので、話しかけさせていただいたのですが」
長い、なんだこいつ…敬語を使うことに慣れてないのか?
長ったらしくて全然頭に入って来ないぜ。
要は研究所を探してるって事だろ?
「ああ…場所なら知ってるよ、こっから30分も歩けば着く」
「案内とかは…していただけないですか?」
「…まあ喉渇いたし、飲み物買うついでに案内してやるよ」
俺はベンチから下りるとグッ、と伸びをして立ち上がった。
いつもの道を少年と終始無言で歩く。
「ここからが研究所の区画だ」
25分ほど歩き研究所が立ち並ぶ場所へと案内した。
「わざわざありがとうございます、あとは自分で探せますので」
「頑張って」
ヒラヒラと後ろ手で振って少年と別れる。
そして近くにある店に入り、当初の目的である飲み物を買う。
昼に近いからかすっげー混んでて会計するまで10分もかかった。
店から出て飲み物片手に公園へ戻るべく歩き出す。
「ちょっとー!そーこのひーとー!」
店からそんな離れてない距離でさっきの少年が走って来た。
「はぁ!はぁ!…よかっ、た…! 間にあっ、た!」
俺の前で息を切らしながら膝に手を当てる。
?んだこいつ、まだなんか用か?
俺は一旦止まって怪訝な目を向ける。
「ふぅ…村人、Bさん…ですよね?」
少年は息を整えてから俺に質問した。
「んー…まあそうだが?」
「良かった!早速お願いがあるんですが…」
「却下」
俺は即答してから歩き出す。
「な、なんでですか!?」
「俺にお願いしたきゃ、可愛い女の子になってから出直しな」
なんで初対面で見知らぬ男の願いを聞かにゃならんねん。
俺はシェ○ロンじゃない、ただの村人Bじゃ。
「そんな…!」
あたしゃが男に優しくするとかあり得ねえから。
「願いを叶えたきゃボールを7つ集めれば?シ○ンロンが出てくるかもよ」
適当にあしらい、ヒラヒラと後ろ手で振って少年を置き去りにして公園へ戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます