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ああ、こいつらにはコレが冗談って分からないのか。



俺は同じ事を思っていたリザリーとアイコンタクトする。



「まあ友達的な関係ではあるよな、一応」


「そうね、一応……告白しても無駄そうだし」


「ははは、実験体にはなりたくないんでな」



昔、こいつの告白をマジだと思って悶々と考えた結果OKしたら、実験体にされた事があった。



アレが軽いトラウマになったのか、俺はもう告白とかプロポーズとかは素直に受け止められない。



「なんだ…もう付き合ってると思ったのに」


「バカ言うなよ…俺たちが付き合うわけ無いだろ」


「そうよ…全く、付き合うなら結婚するわ」


「そだな」



いつも死と隣り合わせの戦場に赴く俺や兵士のほとんどは彼女や彼氏を作らない。



理由はよく分かってるだろ?



だから俺は付き合うぐらいの相手がいるなら結婚する。



どうせいずれ結婚に行き着くなら早い方がいい…と言う話だ。



「恋バナの予感!」


「なぜ俺を引っ張る」



ドアをバン!と開けてマキナが飛び込んで来た。



左手にエルーの襟元を掴んで。



「え?だって美味しいお菓子を買って来たんでしょ?はい、限定のプリンだよ」


「俺はカステラと言う異国のお菓子だ」


「「カステラ?」」


「詳しくはて…バニシュ君に聞いてね」



なんかだんだんとマキナのキャラが崩れてきているような感じが…



と言うか、昔に戻ってきてる?



マキナはテーブルにプリンとカステラを置いて皿を並べ始めた。



「カステラってなんですか?」


「卵と砂糖と小麦粉を混ぜ合わせたのを焼いた物だ」



説明を省いたが、本当は砂糖と卵を泡立てた物に徐々にふるい落とした小麦粉を混ぜて生地を作る。



それをオーブンでふんわり焼いた物。



作る人によって、ザラメや黒糖、抹茶やカボチャを入れたりもする。



因みに頑張って料理を極めた俺も作れたりするんだなー。



「そう言えば昔バニシュが作ってたわね」


「ああ~、ザラメを下にひいてカボチャと黒糖のストライプだったね」


「アレは美味かったな」



待て待て、限定のカステラを買って来ているのに何故俺の話をするんだ?



そんな事を言うとどんな展開になるか分かるだろ?



「とりあえず休憩にしようか」


「はい」


「はい!」



エルーの言葉に二人は本と筆記用具をカバンに入れる。



「そういやテストっていつ?」


「明後日です」


「二日後ねぇ」


「その後に授業参観があります」



女の子がそう言うとクレインの顔が少し暗くなった。



「姉さんは行けないらしいってボヤいてたけど…」


「はい…最近は仕事が立て込んでる、と言ってました」



この所色々とあるからな、魔獣だったり魔物だったり近隣諸国アレコレだったり。



「大丈夫だ、俺が行くよ」


「本当ですか!」


「どうしても行けない時は代わりにコイツ行かすから」


「さり気なく俺を巻き込むな」



わあ!とはしゃぐクレイン、俺はこういう時どうすればいいんだろうか?



「おいコラエルー、お前最近調子に乗ってねぇか?」


「マグイックを見たら分かるだろ?魔法学院は可愛い女の子が揃ってるらしいぞ」


「よし、任せとけ」



俺の扱い方にかけては一流の腕を持つ友人達だった。



女の子を出されたらどうしようもねえよ…



しかも女の子は顔を赤らめてるし。



俺をあしらいつつ、女の子の評価を上げる…なんて話術だ。



伊達に魔女の親友をやってるわけじゃねぇ…!



休憩がてらのお茶会?をした後にクレイン達はマキナやエルー、リザリーに勉強を教えて貰ってた。



俺?俺は聞かれた事にしか答えてねえよ?

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