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「なあ、俺がこの転がってる死体の海と山を片付けるから…南門にいる少年を取ってきてくれないか?」
「…コレをどうやって片付けるんだ?」
「埋める」
嘘だけど、本当は食糧保管庫(特製)に送りたい。
コレだけあれば魔物共の腹の足しにはなるんじゃないか?
「埋めるって…一人で大丈夫なのか?」
「じゃあ燃やす、ちょうどオイルとライターは宮殿の中にあるし」
「…方法は任せた、じゃあ少年を保護してくる」
元一位ランカーが走り去って行くのを見送ってポーチからスタングレネードを取り出す。
ピンを抜いて爆発させ、辺りが光に包まれた時に死体を全て影移動させた。
くっ…流石にこの量ともなるとキツイな…
ガクッと地面に片膝を着くと光が収まってくる。
よし、あっちの建物からオイルとライターを持ってきて少し燃やすか。
俺は建物から持ってきたオイルを適当にぶちまけて火を付けた。
おお、結構勢いよく燃えるなぁ。
少し離れた場所で10分ぐらい燃え盛る炎を見てると警備兵が集まり消火し始める。
さて、と…そろそろ親睦会も終わりが近づいてきてる。
伝説の暗殺者とやらが来てるなら多分会場だろう。
殺るとしたら終わりの直前、閉会の挨拶の時か?
その方が直ぐに逃げれるし、何より第二王位継承者の助力も得られてそいつのアリバイも作れるはず。
あと15分とちょっと…そろそろ会場に移動しよう。
俺が会場に移動しようとすると小型無線機がバイブした。
「もしもし?」
「テイトか?お前が言った貴族の居場所が特定できた、宮殿の近くにあるメルヴィッシホテルの205号室に三人揃っている」
「オッケー、ありがと」
「どうする?今は軍を待機させてるが…そのまま捕まえさせるか?」
ん~、時間無ぇしエルーの提案でいこうかな?
その方が上の評価も上がりそうだし。
「そだな、俺の方には伝説の暗殺者(笑)がいるみたいだし」
「伝説の暗殺者…?ああ、ルメル・ジェル・バドウィッシの事か…まあお前達からしたら足下にも及ばない相手だろうよ」
よく知ってるな~?伝説と呼ばれるぐらいだからそこそこ有名なのか?
つーか、リザリーとマキナとエルー三名の情報網ってヤバくねえか?
リザリーとマキナは各地の知り合いやハッキングで、エルーは軍の内部(リザリーのお姉さんも協力)。
んで俺は魔界、天界、冥界や魔物の情報に詳しい。
…凄ぇ組み合わせだな。
小説とかで言えば脇役感がハンパないんだけど。
役割で言えば主人公を地味にサポートする系?
…俺はまんま敵役なんだけどさ。
「どうした?」
エルーは俺が返事をしないのを不思議に思ってか聞き返してきた。
「いや、分かってた事だけど主人公にはなれねぇなって」
「ついに現実と妄想の区別がつかなくなったのか?」
思ってた事を話すとなかなか酷い切り返しだった。
俺をオタクみたいなキモい人種と一緒にすんな。
「現実と妄想の区別ね…一回死んでからは現実味を感じない事がよくあるんだよなぁ」
「まあお前は色々と現実離れしてるから分からん事も無いが」
「現実離れね…俺が望んでこうなったから後悔はしてない、が、それでも」
「すまん、待機してた奴らから連絡が入った」
俺が言いかけた時にちょうどピーピー電子音が鳴った。
「じゃ、報告は明日だな」
「言いかけたのは明日聞く、頑張れよ」
無線を切って俺は会場に向かって歩く。
会場内に入りお姫様を探してるとちょうど閉会の挨拶の準備をしていた。
タイミングばっちし、ってわけか…ま、そうなるように時間をはかってたんだけどね。
「ん?村人B君じゃないか、誰を探してるんだ?」
「あ、えーと……そう!お姫様のお父さんの…………現王様だ」
会場内をウロウロしてると近くにいたオーストラリアの王様が俺に話しかけてくる。
お姫様の居場所を聞いてソコに向かうと、多分偉いであろうおっさん達に囲まれてるお姫様を発見した。
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