第三期
01
…
……
………
…………
…う…頭がボーっとする…が、どうやら成功したみたいだな。
目を覚ますと真っ暗で狭く息苦しい空間に寝っころがっていた。
…多分遺体安置所ってところか?
薬の効き目は約一時間って言ってたな。
って事は処刑執行から一時間後ってわけね…
目の前を触ると板のような感触がある。
「いて!」
ソレをズラして出ようと上半身を上げるとゴン!と頭をぶつけてしまった。
「痛てて…っしょっと!」
ぶつけた部分をさすりながら左の板を蹴って壊す。
どうせ遺体安置所なんかに人はいないだろうし、音を立てても大丈夫だろ。
モソモソと方向転換してさっきの足下の板を殴って壊す。
よし、これで棺桶からは出れた。あとは…
遺体安置所は確か棺桶を引き出しみたいな所に収納してたよな?
って事は…とう!とう!
体のバネを使って目の前の鉄の壁?を押した。
ギッ、ギッ、と軋む音がして光が少し差し込む。
その隙間に指を出して思いっきり押して引き出し的なのが外に出る。
結構な勢いで出たため、床に落ちた時にガランガラン!とかなり大きい音がした。
すぐさまそこから出て辺りを見渡し、入口付近の壁に背を付ける。
「何事だ!?」
「何があった!?」
音を聞いた数人の兵士?警備員?が駆け込んできた。
「な…何ぎゃ!?」
「どうし…ぐぇ!?」
「おい!がばぁ!」
「な…どうし…て…!?」
近くに居たヤツの後頭部を後ろから思いっきり殴って気絶させた。一人目
その近くにいたヤツが振り向く前に首を締めて落とす。二人目
振り向いたヤツのみぞおちに蹴りを食らわして気絶させる。三人目
驚いて竦んでるヤツの腹を殴って気絶させた。最後の人
そして適当なヤツの足を掴み引きずって遺体安置所を出る。
流石に変装…しかも女装したままは嫌だ。
顔は特殊マスクですぐに剥がせるし、髪は長いウィッグだ。
服装は…白い死装束…か?
よく怪談に出てくる女やら般若やらが着けてるような感じのやつ。
この日の変装のために毛を全部剃ったんだぞ!?
ヒゲとか腕毛、すね毛とかあまり生えてないから剃る手間は省けたけど…
アソコの毛まで剃るか!?普通!
おかげでツルンツルンでスースーするわ!
この年になってアソコツルツルとか…
しかも抵抗拒否しまくったからリザリーとマキナに両手両足縛られて剃られたし…あんな所をマジマジと見られたらもうお嫁に行けないよ…
恥ずかし過ぎてもう死ぬかと思った。
ってか死にたかった!
女装なんてしなければ良かった…でも素顔も性別もバレないからやっぱり女装で正解だったのか?
気絶した兵士?警備員?をトイレまで運び個室の便座に座らせて鍵をかける。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます