35
「うりゃあ!」
「おっと」
「ふにゅ!」
物凄いスピードで俺との距離を詰め右手でボディブローを狙ってきた。
それを掴むと左肘で顎めがけてのエルボー。
「うお」
左に流れるように避けるとなんと左脚で胴狙いの膝蹴り。
俺はそれを左手で受け止める。
「むむぅ…やるなぁ…」
「どうも」
スカートがめくれて細い太ももが見える!
くそっ!もう少しめくれてくれれば…!
見えそうで見えない!チラリズムちくしょう!
「ふにゃ!」
「ぬぐ」
こいつ…!左膝と右手を掴まれてる状態で頭突きをするだと?
少ししゃがんで避けて左膝と右手を離して左に転がるように距離を取った。
「本気モード!」
「マジで?」
マキナはリザリーと同じくかなりの早さで打撃ラッシュをする。
俺はまるでデジャヴュだな…と思いながら打撃ラッシュを捌く。
どんどんキレが増し、足技も使って難易度が上がってくる打撃ラッシュを捌きながらある事を思い出した。
マキナの戦い方はリザリーやエルー、俺と違って武器には頼らない。
自らの肉体だけで戦う接近戦の超スペシャリスト。と言う事を。
「にゃはははは!」
「う、や、べ…」
俺のガードをすり抜けるような攻撃に地味にではあるが防御がズレてくる。
「隙見っけ!」
「がっ!」
「うりゃ!」
「ぬ…!」
蹴りが一発脇腹に入り態勢を崩す。
それを見て側頭部に鋭い回し蹴りを放った。
「嘘っ!?」
「どーだ」
なんとか右ひじを振り上げて足先に当て軌道を変える。
そのおかげでブンッ!俺の頭の上を凄い勢いで通過した。
…風圧凄ぇ…当たったらヤバかったな。
俺はなんとか体勢を持ち直すと目の前にピンク色の布が見えた。
…スカート履いてるんなら足技は止めようぜ。
もうホント目の前だからね?中身も…見えそ…
「~~!変態!///」
「がふっ!?」
ガン見してるのに気づいたのか顔を真っ赤にして後ろ回し蹴りを俺に食らわした。
ガン見してるから避けれるわけもなく、首に当たり思いっきり吹っ飛ぶ。
…普通だったら即死だよ。
俺は完全に油断してたため受身を取る暇も無く壁にぶつかる。
「痛ぇ…」
「程人君の変態!」
「ぐっ!?」
立ち上がると横からの突然の攻撃が。
意外な所からの攻撃にガードが僅かに遅れた。
肩に蹴りを食らってまた吹っ飛ぶ。
まあ今回はちゃんと受身を取ったからそんなには飛ばなかったけど。
「うりゃ」
「甘い」
態勢を立て直し片膝を着いてる俺の顔めがけての拳を薄皮一枚で避けてマキナの二の腕を掴む。
「わっ!?」
「コレで終わりだ」
少し斜め前に引っ張って態勢を崩しそのまま引き込むように倒す。
二の腕から手を離して手首を掴んで素早く捻り、マキナをうつ伏せの状態にして上に乗っかる。
「う~…」
「ギブアップ?」
「…………うん」
すごく納得の行かない憮然とした顔で頷かれた。
手を離してマキナの上から退く。
「俺の勝ち~、いぇーい」
「ちぇ…負けちゃった…」
「打撃だけじゃ勝てんぜ」
「だって程人君攻めないもん」
拗ねたように頬を膨らませる。
「女の子には怪我させたくないんだよ」
「…似非紳士」
似非!?こいつ今似非って言ったか!?
「紳士ならパンツとか覗こうとしないよね」
「覗こうとなんてしていない」
俺はただ見ようとしただけだ。
「一緒だよ…」
「心を読むな」
「長年の付き合いだから分かるんだよ」
あれ?キャラが戻ってる?…いや『戻ってる』って言う表現は正しくないか。
さっきまでのキャラが元々のキャラで戻ってた状態なんだから…うーん、なんて言えばいいんかな?
まあキャラが変わってる。でいいか。
「程人君?どうしたの?」
真っ白な部屋から出ようとしてるマキナが止まっている俺を振り返る。
「なんでもね」
「?そう?じゃ先行くね」
真っ白な部屋から出て行ったマキナを追うように俺も部屋から出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます