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「まあ俺が仮に親玉だったとして、それがなに?テロは鎮圧してんじゃん」


「そうだよ…そうだよハカナ!悪い奴じゃねぇじゃん!」


「忘れたのかレイ…魔物はこの国を侵略に来てるんだぞ?」


「それは…!」



へー、やっぱり。噂って言うか情報はもう流れてるんだ。



まあだからなに?って感じなんだけど。



「今ここで倒しておかないと俺らの村まで来るぞ、それでもいいのか!?」


「う…それは…」


「俺は嫌だ。だからこいつはここで…!」



冷静な方が槍を手にし、俺に向かって突進して来た。



俺は軽く避けて足を払う。



「うぁ!」



バランスを崩した所で槍の後ろの方を掴みひねった。



冷静だった方は簡単に槍を離し、そのまま地面に倒れる。



「チェックだにゅ」



俺は倒れたそいつの頬をかすめるように槍を地面に刺した。



「あ…あ…」



俺の動きを見て勝てないと悟ったのか、バカの方は体が竦んで動けないようだ。



「どうする?お前もやるの?」


「う…うわぁ!」



バカの方は一目散に逃げ出した。



「さて…お前はどうする?」



俺は右手で冷静な方の服を掴んで持ち上げる。



「う…うぅ…」



ありゃ、こいつ漏らしやがった…そんな怖い目には会ってないはずなのに。



「そいつを離せ!」



また別の少年が現れた。



走って来たのか息は乱れている。



「聞こえなかったのか!そいつを離せ!」


「はいよ」



俺は急に現れた少年に冷静な方をぶん投げた。



俺が投げたのを受け止めた少年はそいつを地面に立たせる。



「忘れ物だぜ」



俺は地面に刺さってる槍を引き抜き、冷静な方に投げた。



一応刃先は俺の方に向いてるとは言え、冷静な方はうまく受け取れず腹に当たりうずくまる。



「お前…!」



少年は俺を睨む。



とても少年とは思えないような殺気を孕んだ目。



「お前が…街の人達を殺したのか!?」


「まあ鎮圧のために仕方なくな」


「父さんや母さん…ミチル達もか!?」


「知らんけど」



誰が誰だか分からんし、お母さんなら生きてるんじゃないか?



「殺す!」



少年は俺に飛びかかって来た。



冷静な方は逃げるタイミングを失い腰を抜かしている 。



少年は背丈に不釣合いな剣を振り回していた。



「少年さあ、もう少しクールになろうぜ?」


「うがあ!」


「お?」



少年のあまりの気迫に避けれず剣でガードしたが、少しよろめく。



「わお、勇者候補ってやつ?とても子供とは思えない力だぜ」


「殺す!殺してやる!」



少年は我を忘れ、ただ殺意の赴くままに剣を振っていた。



「が…があ!」


「!おおっと」



こいつは驚いた…この年で魔術が使えるなんてな。



こりゃ将来有望の才能の持ち主だ。



是非ともユニオン兵士養成学校に通わせないと勿体無い逸材だぜ。



「う…おお!!」


「うひゃあ」



火に水に雷ときたもんだ。



流石の俺も逃げるしかないぜ。



普通は凄くても二属性までしか使えないのに…つーかまず魔術が使える奴でさえ少ないのに。



俺はさっきの無線を取り出して適当にボタンを押した。

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