上顎の髭

アーモンド

無駄毛に告ぐ

上顎の全ての細胞よ


お前らは無駄に生き急いでいる


何故だ 何故髭など生やすのであろうか


細胞よ 分裂の止まる時お前らは絶命する


限界にゆっくり 日々近付いているのに


何故髭などという無駄な突起を生やす


髭だけでない 脛毛よ 貴様らもだ


何故要らぬ所に生えてくるのだ


それは生命の無駄遣いだ 今すぐ止めろ


寒ければ防寒出来る


暑ければ薄着出来る


お前らは無駄でしかないのだ


もっと長く たった一秒分だとしても


生きるという普遍的な欲望に


私はすがっていたいのだから

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

上顎の髭 アーモンド @armond-tree

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ