国家救済特別法 -星の未来-
@kyuenkai
第1話:プロローグ
国家救済特別法 西暦二二〇〇年 十一月 三日 法律第九拾六号
玖国国民は国家の存亡にかけ以下を享受しなければならない。
この法に従ふことは、国民の責務であると信ずる。
第一条 国民の寿命、および管理についてはこの法律の定めるところによる。
二、二十歳以上の国民は、国が定める試験の義務を有する。
三、試験の結果は同法第四条に基づき、拒否することはできない。
国家救済特別法より抜粋
「地球は青かった――」
貴方はこんな言葉を聞いたことがないだろうか?
宇宙から見れば地球は青く、とても美しい星。でもこれは地球を飛び出して、宇宙から地球を見たからこそ言えることではないだろうか?
こんな昔話がある。十四世紀の大航海時代、海は平らで先は崖で滝のように落ちている、と考えられていた。そのため船乗りたちは南に行き過ぎると落ちてしまうと思い込み、怖がって行きたがらなかった。
貴方はこんな昔話を聞いてどう思うだろうか?
昔の人は無知だなぁ、とか。まだ科学が発展していないから仕方がないよ、と思ってくれるのだろうか。
しかし、この昔話を私と貴方がそんな風に捉えてしまうのは『常識』が蔓延(まんえん)しているからだ。
地球は丸い、地球は青い。こんなこと知ってて当たり前、知らないと『常識』がないと、そんな風に思われてもおかしくないくらい、周知の事実となっている。
でもどうだろうか? 私たちの居る世界は紛れもなく地球だ。
私たちは地球に住んでいる、これは常識なんだ。でも……青いだろうか?
某国の首都圏にいる私にとって、地球はとても灰色に見えてしまう。高いビルや展望台に上って景色を眺めてみると、灰色のコンクリートに敷き詰められた街並みが、地平線の向こうまで広がっている。 これで青いと思え、なんて無理な話だ。
しかし地球は青い。長くなってしまったが、何故青いのだろうか。私はおそらく、地球の陸地と海の割合にあると思う。地球の約七割は海が占めている。そのため外から見ると地球は青く光っているのだ。
地球は海に覆われて青く、そして奇麗だ。
この七割がもしも……九割、いや、それ以上になってしまったなら……。
これより書き記すは、今よりもずっと先に在る未来──。
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