幕間九:女性専用車両ってどう?

心桜「つっちゃー! 知ってる!?」

七夏「え!? なあに? ここちゃー?」

心桜「10月14日は『鉄道の日』なんだって!」

七夏「そう・・・なの?」

心桜「・・・という事は、つっちゃーは、知らないって事か」

七夏「???」

心桜「だって、つっちゃーのお父さん、車掌さんだから!」

七夏「そうですけど、特にそんなお話はなかったです」

心桜「鉄道と言えば、つっちゃー、あの車両『女性専用車両』って、どう思う?」

七夏「どう・・・って、言われても・・・」

心桜「やっぱ、つっちゃーが乗る分には何も思わないけど、あたしが乗ると自意識過剰とか言われそうだから、積極的には乗らない・・・かなぁ~」

七夏「ここちゃーが乗っても、何も思わないです☆」

心桜「やっぱ、根本的に間違っているんだよねー」

七夏「え!?」

心桜「女性専用車両があると、困る事も多くない?」

七夏「困る事?」

心桜「そう、さっき言った自意識過剰とか思われたりして、乗りにくいなーという問題とか?」

七夏「でも、その車両で安心できる人も居ますから」

心桜「本来なら、どの車両も安心して利用できないとならないと思う!」

七夏「それは・・・言えてます!」

心桜「更に、女性専用車両って新快速や特急、新幹線には無いよね・・・多分だけど」

七夏「そうなの?」

心桜「どの列車にも1つあるのならまだしも・・・あったりなかったりと、中途半端なんだよねー。女の子は新快速とか乗るなってか!?」

七夏「それは・・・ないと思いますけど・・・」

心桜「そもそも、残念な事をする人が居なければ、こんな車両は必要ないし、あの車両を見ると、安心して乗れるスペースはここだけですよーって、言われてる気がして、切なくなるんだよね」

七夏「・・・・・」

心桜「あの車両、男の人もいい気しないんじゃないかな?」

七夏「そうですよね・・・・・」

心桜「例えばさ、デートの時に、あの車両が目の前に来たら、別れて別々に乗る?」

七夏「そんなの悲しいです」

心桜「もっと大切な事、あの車両に乗らない女の人は、どう思われてるかって事!」

七夏「え!?」

心桜「あの車両に乗らないで悲しい事された場合、あの車両に乗らないからだよ・・・なんて言われたら、あたしは本気で怒るよ!」

七夏「みんなが安心して過ごせる世の中になってほしいです」

心桜「他の車両は、ほぼ満員で、あの車両だけ『がら空き』だった場合、あの車両を利用しても、なんか罪悪感のような物を覚えそうだよ」

七夏「難しい所です」

心桜「そう言えば、あの車両、男の人が車内を通過するのは大丈夫なのかな?」

七夏「駅でわざわざホームに出て、後ろの車両へ移動されている男の人なら、何度か見かけた事があります」

心桜「走行中だと、それ出来ないからね・・・男の人はあの車両に入る事すら禁止されている印象だよ。実際どうなんだろ? あたしは車内を通過するのはいいと思う。その車両に留まるのはご遠慮下さいって認識かな?」

七夏「私も、ここちゃーと同じ考えです」

心桜「そもそも、あたし個人的には、あの車両はいらないと思う派かな? つっちゃーは?」

七夏「私は、あの車両さんの出番が必要ない世の中になってほしいなと思います☆」

心桜「おぉー、綺麗に纏めてきた。でも、ホントそうだよね!」

七夏「はい☆」

心桜「・・・っと、ここで、この件に関してのお便りが届いてるから紹介するね!」

七夏「わぁ☆ お便り、ありがとーです☆」

心桜「男の人からだよ。これは期待できるかもっ!」

七夏「心強いです☆」

心桜「んじゃ、読んでみるねっ!」

七夏「はい☆」

心桜「えっと『こんにちは。僕は女性専用車両については正直あまり良い印象はありません。あの車両が登場してから色々と大変なんですよ。』・・・だって」

七夏「やっぱり、男の人は、私たちよりも、もっと深刻な問題なのですね」

心桜「続き、読むね」

七夏「はい☆」

心桜「『あの車両が登場した為、僕の列車コレクションにも、あのデカールを貼りまくらなければならなくなって、出費はかさむし面倒だし・・・』・・・って、鉄道マニアかよっ!!!」

七夏「ここちゃー?」

心桜「ん?」

七夏「でかーるって、なあに???」

心桜「・・・つっちゃーは、そっちか・・・あ゛ーっ! 一気に面倒になってきた。デカールっていうのは簡単に言うとシールの事。ここでは女性専用車両って印刷されたシールを、列車コレクションに貼ってゆかなければならないという事で、それが面倒で・・・もう、あたしも面倒だよ・・・」

七夏「シール・・・あっ! あのシールの事ですね☆」

心桜「あのシールって・・・あのシール以外にどんなシールがあんのよ?」

七夏「えっと、セシールとか!? 通販の・・・」

心桜「ちょっ! つっちゃー! マジで勘弁して~! シノズカコンフィヨンセソネム!」

七夏「???」

心桜「あぁ・・・貴重なご意見になるはずだったのにぃ~」

七夏「でも、大変な思いをされているという事に変わりはないですよね」

心桜「まあ、あたし達じゃまず気付かない所にまで影響があったという事は、新たな発見と言えるかも知れないけど・・・なんか違う感が拭えないんだよねー」

七夏「まあ、ともかく貴重なお便り、ありがとうございます!」

心桜「それじゃ、今回はつっちゃーが纏めた、あの車両が必要ない世の中になるといいなと思う、私たち『ココナッツ』でしたっ!」

七夏「でしたぁ☆」

心桜「みんなはどう思う?」

七夏「お便りもらえると嬉しいな☆」


幕間九 完


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幕間九をお読みくださり、ありがとうございました!

本編の方も、どうぞよろしくお願い申しあげます!

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