機械音

この世界は本当は私が描いた夢だ

思い通りに動かす筈が、無意識で逆になる


記憶で世界を視る

記憶が薄れていっている


思い出は思い出じゃない

想い出も想い出じゃない

写真が思い出になっている


世の中は機械で溢れてしまった

夢が考え出したモノ。


———— ウィィイイイイインィィ


機械音ばかりが鳴る


世の中は不完全で出来ている

何故なら世の中と呼ばれるモノを、創った人が不完全だったから


其のせいで。

私のせいで。


———— ウィィイイイイインィィ


音が鳴る


不完全の合唱団が唄っている

記憶を頼りに歌詞を探る


不完全とはなんぞ?

完全とは何のこと?


指揮者は逃亡しました。

遥か彼方の無音の世界へ消えました。

音が消える。


———— ンィィイイン


記憶は信頼出来ない


そもそも

脳を信じようなんて馬鹿

阿保と呼ばれても良い


脳は何処にあるのだろう?

アタマノテッペンにアリマスよ

それは本当? そうかね?

ハイ、ソウデス。神にも誓エマス


実況者は叫ぶのです

阿保がいると嘆くのです


では心は何処にあるのだろう?

ソレハムネの奥にアリマスよ

それは真実? 本当かね?

ハイ、ソウデス。神にも誓エマス


占い者は笑うのです

馬鹿がいると喜ぶのです


猿以下猿以上猿未満

これはどれも猿のこと


人間らしいとは何でしょう?

馬や鹿とは違うのですか?

あ、ほ!ら…し?い。


———— ド……ドド……ドドドド……


世界は混沌

混沌はカオス


私はカオスの創始者

創始者こそが真の神

神こそがカオスなのだ。


阿保らし。馬鹿らし。

機械音と共に踊れ

下手なワルツを舞われ


私は疲れた。眠ります

夢は現実の夜なのです

この世界を創った私の夢なのです

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