14章 保険
「いくわよ!食らいなさい!」
あんこは魔槍で剛に襲い掛かった。
「炎雷斬!!!」
剛は雷に覆われた炎の刃で応戦した。一方、一はデミとかなめと戦っている。
「く…このピンク髪の女僕と互角のパワーだ!!!」
かなめは一をタコ殴りにしようとした。しかし、一は拳でそれをすべて打ち返す。デミは離れた位置から一に魔砲を放った。
「気炎放射!!」
正広は気炎放射で魔砲を相殺した。かなめは一旦距離を置き姿を隠した。デミは距離を詰め一に接近した。至近距離から魔砲を放った。
「気合いドリル!」
一は気合いドリルで魔砲を弾き飛ばし、デミを貫いた!しかし、デミは魔法のコルセットでダメージを軽減した。
「魔法のコルセットが一撃で駄目になったわ。貴方、なかなかやるじゃない!」
「気炎突撃!!」
正広は炎に包まれながらデミに突進した。しかし軽やかにかわされた。
「あらあぶない!」
デミは余裕である。その時かなめが正広に向かって石を投げた!
「ぐあっ!」
石は正広の心臓を貫いた。
「てひひ、石投げただけなのに死んじゃったよ!」
「正広~!!!」
一督戦隊に初めて死者が出てしまった。
「そんな!」
「正広がやられるなんて!!!」
「くそう!くそううううう!!!!」
そんな一をあざ笑うかのようにデミは魔砲を乱射した。
「フルパワーだあああ!!!!」
一は魔砲を全て弾き返した。その中の一つがかなめに命中した。
「きゃあああああああ!!!」
「かなめさん!」
「かなめ!」
「隙あり!」
剛はあんこの魔槍を炎雷斬で叩き落とした。あんこは退き、距離を取った。剛は追撃する。しかしながら、あんこは強かった。叩き落とされた魔槍を遠隔操作し、剛を貫いた!剛はすんでの所で気が付き、かわそうとしたが肩を負傷してしまう。
「大変だわ!時間を動かすのに能力を使いすぎてもう回復できないし…。」
「剛いいい!!!」
一はあんこに突進した。あんこは魔槍でガードしたが魔槍は粉々に砕けダメ―ジを追ってしまう。あんこは魔砲で地面を撃ち粉塵を立たせて一を煙にまいた。
「うふふ。やるわね…。」
これだけ不利な状況にもか関わらず、デミにはどこか余裕があった。だが、すかかさず、待機していた直樹が飛び出した。そしてデミを叩き落とした。
「きゃあああああああ!!!!」
デミは膝を折って倒れ掛かった。
「隊長!僕に力の珠を渡して下さい!」
「ああ、任せた!」
一は直樹に力の珠を一つ渡した。直樹は剛の元へ向かった。
「剛!!!」
「ありがてぇ……。」
剛は直樹に手を貸してもらおうとした。しかし、直樹は手を振り払い、剛の持っている二つの力の珠を奪い取った。一は瞬時に異常を察し、剛の元へ向かった。
「直樹何を!?」
直樹は剛を投げ飛ばしエネルギー弾を放った!一は盾となり剛を庇った。
「ぐおおおおお!!!!」
「ち…仕留めそこなったか。」
「保険をかけておいて良かったわ。」
デミが余裕の表情で直樹の元に飛んで行った。膝を折っていたのは演技だったのだ。
「どういうことだ直樹!」
「どういう事も何もこういう事だよ。」
「彼は私たち新ソ連のスパイだったのよ!」
「何ですって!?いつから!」
「1か月ほど前からよ。その時から彼と私たちはコンタクトを取ってたのよ。力の珠を奪うための作戦を練って。」
「何回もコンタクトを取って破格の条件を突き付けて、彼を裏切らせるのに成功したのよ。」
身を潜めていたあんこもデミの元へ出てきた。
「裏切るタイミングがもう少し早ければ他の隊員の死傷者も減らせたんでしょうけれど…。」
「仕方ないさ。確実に力の珠を手に入れるためにはギリギリに裏切る必要があった。」
「ええ、分かってるわ。でもおかげで三つの力の珠を奪う事ができたわ。これでは一督戦隊は骨抜き同然。一督戦隊の殲滅は簡単だわ。」
「くう!!侮るな!!120%のパワーだ!!!」
一の身体は激しく閃光した。そして、ハルヒと剛を急いで担ぎ出した。
「逃げる気か!?」
「ダメージは負っても120%を出せば逃げることくらい可能だ!!!」
「逃がさないわよ!!!」
「邪魔するなああああ!!!」
一の身体はさらに激しく閃光した。
「きゃあ!眩しい!!!」
「くうう……光源を攻撃するんだ!デミ!あんこ!」
「ええ!分かってるわ!」
三人は光の元に向かって攻撃した。すると光はどんどん暗くなっていった。しかし、そこにあったのは光る玉だけであった。
「エネルギーの塊で作った玉だと!?」
「どうやら、この光はおとりだったようね。」
「まんまと逃げられちゃったわね。でも一人は始末できたし、力の珠も全部奪えたんだから上出来じゃない!」
こうしてジンバブエ共和州は直樹の裏切りによって陥落した。
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