8章 敵か味方か、仮面の男

 一たちは防衛の為に大和帝国州の北方四島に派遣された。北方四島は新ソ連と日本幕府の係争地でもある。


「直樹!力の珠の一つを君に預ける。受け取ってくれ。」

「良いのか?」

「君が持っていた方が部隊全体としての戦闘力は上がる。」


 一は三つの力の珠の内一つを直樹に預けた。一督戦隊は臨戦態勢を取った。そうして待機していると敵軍が現れた。


「侍四天王、庄子正司!!!」

「同じく侍四天王、神仁!!!参上!!!」

「同じく侍四天王、東吾嬬!!!見参!!!」


「何ぃ!?侍四天王がいきなり3人もだとぉ!?」

「お前たちは四天王最強の五郎丸を倒したからな。残った四天王全員でお前たちを討伐しようという訳だ。」

「く、彼が自称していた最強の四天王というのは本当だったのか。」

「三人居ようが我々の敵ではない!!」


 一は第二形態に変身し、刀を具現化させた。そして、力の珠の一つを刀に移動させた。一は正司に斬りかかった。正司も刀を具現化させた。そして一の刀を受け流した。


「五郎丸はお前の刀をまともに受け止めてやられたんだったな…。だが受け流せば問題ない。刀裁きなら僕達の方が上だ!」

「くっ!」

「空円斬!!」


 直樹は仁に空円斬を放った。仁は刀を具現化させ、空円斬を斬り裂こうとした。ところが仁は弾き飛ばされた。さらに直樹は刀手で仁を斬り裂いた。仁はかわしたが肩を霞めた。


「くう!あの男がこんなにも速く、こんなにも強いなんてデータには無かったぞ!」

「僕たちも強くなっているという事だ!」


 吾嬬も刀を具現化させて、正司と共に一に斬りかかった。しかし、一の攻撃で二人の刀は折れてしまった。


「なにぃ?!データ通りなら二人がかりなら刀を受け止めても平気なはず?!データよりも強くなっている!」

「吾嬬!正司!こちらにも手を貸せ!」

「全く!こっちも大変だって言うのに!」


 吾嬬は直樹に斬りかかった。直樹は刀手で受けめた。すかさず、仁が斬りかかった。直樹はかわしたが、懐をかすった。すると力の珠が露出した。


「そういう事か…!」

「追気光線!!!」


 直樹は追気光線を仁に放った!仁はかわした。直樹は追記光線の軌道を替え、吾嬬を狙った。吾嬬は刀で光線を薙ぎ払おうとしたが、さらに軌道を変えて正司に向かって飛んで行った。


「なに!?」


 正司は光線を刀で薙ぎ払った。同時に一が斬りかかかった。正司は刀を持っていない方の手でそれを受け流した。それと同時に一は刀を持っていない方の手で刀を具現化させて正司に突き刺した。


「ばかな!?二刀流だと…。我々でもできない事をこの短期間で使いこなしたと言うのか…。」

「2本目の強度は50%ほどだが、それで十分!」


 一は1本目の刀をさらに振るった。正司は刀でガードするが受け流せない。痛手を負って動きが鈍くなり受け止める事しかできない…!

 正司は一に刀ごと斬り裂かれた。そして、そのまま気を失ってしまった。


「くっそ……。」

「炎雷弾!!!」


 剛は炎雷弾で気絶した正司を焼き払いトドメを刺した。


 一は1本目の刀で吾嬬に斬りかかった。吾嬬は刀を使いそれを受け流した。それと同時に一は、2本目の刀を投げつけた。吾嬬はもう片方の手で2本目を受け流そうとしたが流しきれず斬り裂かれた。


「ばかな!!!これが50%の刀の力か?!」

「力の珠を2つとも2本目の刀に移動させていたのさ。」


 一はそう言うと同時に第三形態になり、2本目から力の珠を抜き取った。


「しまった…!」


 2つの力の珠を付けた1本目の刀で吾嬬を斬りかかろうとした。痛手追っているのでその一撃を受け流せない。吾嬬は一に斬り裂かれた。そして、そのまま気絶した。


「そんな……。」

「炎雷弾!!!」


 剛はまた炎雷弾を放ち、気絶した吾嬬を焼き払いトドメを刺した。同時に一は第二形態に戻った。


「隙あり!!」

「しまった!!!」


 一方、直樹は仁に隙を突かれ力の珠を奪われてしまった。直樹は力の珠でパワーアップした仁に斬り裂かれ気絶してしまう。


「次はさっきから美味しい所だけを持って行っている卑怯者だ!」


 仁は剛を狙った!一は結界を張り、力の珠を2つとも自分の身体に移動させた。仁は結界を斬り裂いたが、一は剛を助けるのになんとか間に合い、仁の刀を受け止めた。

 仁は一旦距離を取った。


「くそっ!三十六計逃げるに如かず!戦略的撤退で捲土重来を期す!」


 仁は逃げ出した。


「まて!」


 仮面の男が仁を呼び止めた。


「邪魔立てするなら斬る!!!」


 仁は仮面の男に斬りかかった。しかし、仮面の男はキックでその刀をへし折り仁の胸に突き刺した。


「つ…強い…」


 仁は謎の仮面の男に殺された。 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る