第3話
「ただいま」
鍵はまたかかっていない
「あ、スグルおかえり」
母親は鏡の前でメイクをして髪を巻いてしっかりお洒落をして、出かける準備をしていた
今日も仕事らしい
「スグル、今日はバイトあるの?」
「うん、5時からだからもうすぐ行くよ」
「そう」
聞いておいて興味は無さそうで、鏡から目を離さない
「バイト、行って来るから。鍵閉めてね」
母親は手だけ挙げてひらひら振っていた
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