第2話貴方と共に

終わらせようか



6月末の頃、蝉の鳴き始めたのを聞いた

何だかいち早く夏の訪れを知れたような気がして


いつもわくわくする


未だ誰が知るとも知れぬ頃、早朝の泣き始め




誰もが知る所となる夏の音の


ジージーとミーミーと



誰もが気に留めることなく只のBGMとなっても

鳴き合っている蝉の声


暑い日中の泣き声




それに今では、蜩の声も混じりだし


まだまだ明るい夕刻の泣き声


何だか夏の終わりをいち早く知ってしまった気がして

少し切ない




今の私には、蝉の鳴き声しか聞こえない


貴方の声が急に聞けなくなっても、臆病さが勝ち続けてる


やっぱり今の私には、蝉の泣き声しか聞こえない


だから、何かの終わりをいち早く知ってしまった気がして

少し切ない




蝉と共に鳴き始め蜩と共に終わろうか


それも悪くは、ないな


なんて、出来もしない鳴き事を




結局は只


貴方と共に、今年も終わる夏を過ごそう







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